交通違反による点数の減点や運転免許の停止・取り消しなどの処分を帳消しにする特別赦免を行うと、その翌年には交通事故が増加することが分かった。実際に交通違反者に対する特赦が行われた1995年の例を見ると、この年の交通事故件数は24万8000件だったが、翌96年には26万5000件と6.5%(原文ママ)増加していた。その後、交通事故件数はしばらく減少傾向を示すかと思われたが、98年に過去最大の532万人を対象とする特赦が行われると、翌99年には交通事故件数が前年比で15%も急増していた。これに対して交通違反者に対する特赦が行われなかった2000年と01年の翌年の交通事故件数はそれぞれ10%と11%減少していた。その後、02年に再び481万人を対象とした特赦が行われると、翌年の交通事故件数は再び4.2%増加した。このように特赦の翌年に交通事故件数が増加する傾向はその後も繰り返されている。つまり交通違反者に対する特赦が行われると、翌年は明らかに交通事故が増える傾向が認められるわけだが、これは要するに特赦が順法意識の低下をもたらしている事実が数字で示されているわけだ。

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は近く光復(日本による植民地支配からの解放)70年記念特赦を予定しているが、その中に交通違反関連の100万人が含まれるとの話がすでに聞こえてきている。特赦は確かに必要かもしれない。しかし特赦後に交通事故件数が増え、それによって多くの被害者が新たに発生する事実から顔を背けてはならない。交通違反により処罰を受けたとしても、特赦があるので問題ないといった認識が一度国民の間に定着すれば、そのような考え方を改めさせるのは非常に難しいだろう。そのため例えば飲酒運転やその他の常習違反者、さらに過去に特赦の対象になったことがある者については、今後特赦の対象から除外すべきだろう。

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