建築業に携わっていたキムさん(45)は昨年末に離婚した。建設業界の不況により借金が増え、夫婦げんかの頻度が増したのだ。キムさんが借金で破産の危機に追いやられると、飲食店で仕事をしていた妻のオさん(43)に「残った財産だけでも守って子どもたちの面倒を見る」と離婚届を突き付けられた。

 既婚男性の4人に1人が離婚の危機にひんしていることが分かった。特に最終学歴が中卒以下の場合は約半数(48.4%)が、高卒は10人に3人(28.2%)が、大卒は5人に1人(20.6%)がそれぞれ離婚するとの統計が出た。教育水準が低いほど離婚する確率が高まるのは、学歴により所得や経済力に開きが生じるためとの分析だ。

 統計庁人口動向課のキム・スヨン事務官が最近発表した『韓国の婚姻力研究(1990-2010年)』と題する論文によると、男性の離婚率は1990年の10人に1人(10.4%)から2010年には4人に1人(25.1%)へと20年間で2.5倍に増えた。キム事務官は「離婚は個人の事情や価値観の違いなどの影響も大きいが、1997年の通貨危機以降に続いた景気不況も原因となっている」と言う。

 このような調査結果は、現在の離婚率が維持される場合、15歳以上の既婚者が100歳までにどんな状況に遭遇するか(韓国人の生命表)を、人口センサスと毎年報告された結婚・離婚に関する資料などを基に分析したものだ。

 既婚女性が離婚する確率も同期間に9.9%から24.7%に高まることが予想された。また、再婚率も低下する。1990年には離婚した男女の10人に7人以上は再婚していた。しかし、2010年には約半数(男性58.1%、女性56.1%)にまで低下した。さらに一生結婚しない未婚率も大きな高まりを見せている。男性の未婚率は1990年の11人に1人(8.7%)から2010年には5人に1人(20.9%)へと2.4倍に増えた。女性の未婚率は同期間に5.1%から15.1%へと約3倍に膨れ上がった。これは、結婚生活に伴う利益が独身生活に比べて小さい上、独身生活で困難を経験してもこれを解決できるさまざまな道が準備されているためだ。

 ここ20年間で韓国の結婚力は、女性よりも男性の間で大きな変化を見せている。男性が家庭を扶養するのが支配的な韓国社会で、雇用不安のため男性たちの結婚力に大きな変化が生じているということを物語っている。

 

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