ドイツのメルケル首相(60)が第12回「ソウル平和賞」の受賞者に決まった。1988年ソウル五輪の開催成功を記念して制定された同賞が、現職の政権トップに贈られるのは初めてだ。

 ソウル平和賞審査委員会(イ・チョルスン委員長)は17日「第二次世界大戦後に生まれたにもかかわらず、ドイツが過去に世界平和を脅かし、破壊するという蛮行をしたことについて常に反省し謝罪することで、加害国と被害国の間の確執や反目を修復した。世界平和と人類福祉の増進に大きく寄与した人物だ」と選定理由を明らかにした。また、優れたリーダーシップで南ヨーロッパに端を発する2009年からの財政危機を克服し、「テロとの戦争」に積極的に協力、国際平和の定着に寄与したことや、環境に優しいエネルギーなど地球規模の課題に積極的に取り組んできたことも高く評価された。

 07年の国連総会演説で、第二次世界大戦時のドイツの歴史的な過ちを謝罪、翌年3月にはイスラエル議会の演説で「ショア(ホロコーストを意味するヘブライ語)はドイツ人にとって最大の恥」とも述べた。

 審査委員会関係者によると、受賞の知らせを聞いたメルケル首相は「国際的に意義のある賞をいただけることになってうれしい。ぜひソウルに行って賞を受け取りたい」との意向を表明したという。授賞式はメルケル首相の訪韓日程に合わせ、ソウルで開かれる予定だ。メルケル首相には賞状と賞牌(しょうはい)、賞金20万ドル(約2200万円)が贈られる。

 1990年に制定された「ソウル平和賞」をこれまで受賞したのは11人(2団体を含む)。このうち、国境なき医師団(1996年)、アナン前国連事務総長(98年)、バングラデシュ・グラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏(2006年)は同賞受賞後、ノーベル平和賞も受賞している。

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