社会総合
迷信の影響で1990年生まれは男女比116:100
「皆さんの男児を好む思想こそが、あなたの息子を一生で一度も恋愛をできなくしてしまう原因です」
1990年生まれのある男性がつい先日、上記の内容をインターネットの掲示板に書き込んだ。1990年といえば、韓国で生まれた新生児の性比(女子100人当たりの男子の数)に関する統計が最初に取られた1970年以来、男子の割合が最も高くなった年だ。この年は女子100人に対して男子は116人生まれた。
通常は女子100人に男子が103-107人程度が正常とされている。しかし専門家によると、男子が110人を上回れば男女の比率が大きくなり過ぎ、結婚適齢期に男子が相手を探すのが難しくなるという。そのため1990年生まれは「檀君(古朝鮮を建国したとされる伝説上の人物)以来最大の男子超過世代」ともいわれている。
1990年に男子の出生割合が特に高かった理由については「この年が午(うま)年だったため」という説が有力だ。「午年の女性は気が強すぎて運勢が悪い」という迷信のせいで、妊娠中に女の子であることが分かれば人工妊娠中絶をするケースが多かったというのだ。
1990年の前の午年である1978年も性比が111.3でその前後の年に比べて高く、また12年後の2002年も110.0で比較的高かった。しかし1978年は超音波技術がまだ広く普及しておらず、2002年になると男児を好む考え方がかなり弱まっていた。そのため1990年は性比のアンバランスが特にひどかったわけだ。
さらに大きな問題は、女性の割合が特に少ない1990年生まれが結婚や出産の適齢期を迎える今後数年間、出産する女性の数そのものが今よりも少なくなるため、韓国全体で一層少子化が進むという点だ。また結婚相手を見つけることも難しくなる。1990年生まれは今年24歳で、まさに就職や結婚をする年代だ。忠南大学社会学科の全広熙(チョン・グァンヒ)教授は「今も農村の男性たちは東南アジアなどから結婚相手を連れてきているが、女性が少ない1990年生まれの男性は国際結婚をする割合がさらに高くなるだろう」と予想した。