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ソチ五輪:ソトニコワに「加点水増し」?
5.76点。キム・ヨナ(23)が21日未明(韓国時間)に行われたソチ冬季五輪フィギュアスケート女子フリーで、ロシアのアデリナ・ソトニコワ(17)につけられた点差だ。 最終24番目に滑走したキム・ヨナは144.19点で2位、21番目だったソトニコワは149.95点で1位になった。前日のショートプログラム(SP)ではキム・ヨナが74.92点で1位、ソトニコワは74.64点で2位と、キム・ヨナの方が0.28点上回っていたが、フリーで逆転された。最終的な結果はソトニコワが合計224.59点で金メダル、キム・ヨナは219.11点で銀メダルだった。■技術点の疑問 ソトニコワは2011年に江原道江陵で行われたジュニア世界選手権の優勝者だ。だがそれ以降、シニアの主な国際大会では優勝がなかった。フリーに弱かったからだ。11-12年シーズンから今回の五輪直前まで国際スケート連盟(ISU)主催大会のフリーに12回出場したが、最高点は先月の欧州選手権での131.63点だった。波が激しく、100点台-120点台を行ったり来たりしていた。昨年12月のISUグランプリ(GP)ファイナル(福岡)では2回転倒し、104.92点にとどまった。 ジャンプではトリプルルッツが苦手だった。ルッツは3回転ジャンプの中で基礎点が6.0点と最も高く、片足のアウトエッジ(外側のスケートの刃)で跳ばなければならないので非常に難しい。ソトニコワは今季に入ってトリプルルッツを6回試みたが、そのうち5回はロングエッジ(Wrong Edge、誤ったエッジ)」と判定されていた。エッジの方向が間違っているということだ。21日のルッツでも左足を外側に曲げ、ジャンプ直前に再び足をまっすぐにする様子が見て取れる。だが、ロングエッジの指摘はなかった。また、トリプルフリップ+ダブルトウループ+ダブルループの最後のジャンプが乱れて中途半端な姿勢になり0.9点減点された。 ほかのジャンプは非の打ち所がなかった。ソトニコワは全部で七つのトリプルジャンプ(連続ジャンプを含む)を試みた。キム・ヨナよりも一つ多かった。キム・ヨナはトリプルループの成功率が落ちると判断、トリプルルッツ、フリップ、トーループ、サルコーだけでジャンプ要素を構成した。2010年のバンクーバー五輪の時もそうだった。 ジャンプの得点だけを見ると、ソトニコワの方がキム・ヨナより3.33点高かった。また、ソトニコワはスピン三つとステップの課題を全て最高水準のレベル4と認められた。キム・ヨナはレイバックスピンとステップがレベル3で、技の出来栄え点(GOE)も期待するほど得られなかった。その結果、技術点合計でソトニコワが75.54点、キム・ヨナが69.69点と、ソトニコワの方が5.85点上回った。ここで事実上、勝敗が分かれた。
■構成点で点数甘く プログラム構成点(PCS)はキム・ヨナが74.50点、ソトニコワが74.41点と、キム・ヨナの方がわずかに高かった。キム・ヨナはスケート技術・動作・振り付け・曲の解釈で9点台を取った。動作・振り付け・曲の解釈に10点満点を付けた審判も2人いた。だが、要素のつなぎだけは8.96点だった。ところが、キム・ヨナのPCSで5項目全てに9点未満を付けた審判が1人いた。特に要素のつなぎには7.75点という悪意ある点を付けている。もちろん、審判9人の点数のうち最高点と最低点は除いて平均点を出すため、特に問題はなかった。 どんな人物が審判になって採点するかは公表されているが、匿名性が保障されているため、各審判がどのような点数を付けたかは分からない。コ・ソンヒ大韓スケート連盟理事はSPの審判には含まれていたが、フリーの審判団の抽選では漏れた。 キム・ヨナの今回のフリーPCS(74.50点)はバンクーバー冬季五輪(71.76点)や13年の世界選手権(73.61点)を上回った。キム・ヨナに対する点が辛かったというよりも、ソトニコワに対する点が甘かったと見るべきだろう。 審判団の中にはロシア・スケート連盟事務総長夫人や、以前に八百長判定を試みて1年間資格停止になったウクライナ人審判がいた。また、全9人中7人が欧州の審判だった。このため、ロシアや欧州の選手に有利な判定が下されたという声もある。ソトニコワのほかに銅メダルを取ったイタリアのカロリーナ・コストナーも73.77点という高いPCSをもらっている。 ソチ五輪のソトニコワは02年ソルトレークシティー五輪時のサラ・ヒューズ=米国=と共通点がある。ソルトレークシティー五輪では米国のミシェル・クワンとロシアのイリーナ・スルツカヤが金メダル候補に挙げられた。SPで1位だったクワンはフリーで予想外の不振に陥り、結局3位に終わった。SPで4位だったヒューズはフリーでトリプルジャンプ七つ(連続ジャンプを含む)をこなし、金メダルを取るという波乱を巻き起こした。スルツカヤはトリプルジャンプを六つこなした。ジャンプの質ではヒューズを上回っていると評されたが、「開催国のメリット」があるヒューズに勝てず、銀メダルに甘んじた。ソトニコワも自国開催のソチ五輪で、ロシア人選手としては初めて冬季五輪フィギュアスケート女子で金メダルを手にした。