大韓航空(KAL)が、航空業界で先輩格に当たる日本航空(JAL)の要請を受けて、ぜいたくな悩みに頭を痛めている。深刻な経営難に陥りリストラを進めているJALが、このほど大韓航空に対し、自社のパイロット約70人を派遣の形で受け入れることができないかどうか打診してきたからだ。

 大韓航空の関係者は5日「JALは当社とほぼ同じ国際路線を多数運航している上、最近は韓国人パイロットの需給バランスが崩れているため、積極的に検討している」と語った。

 大韓航空は1969年に設立され、人材教育や運営に関するノウハウ、マニュアルなどをJALから学んだ。大韓航空にとってJALは「兄貴分」に等しい存在であるわけだ。大韓航空の関係者は「JALがわれわれにパイロットを引き受けてほしいと要請してくるとは、妙な気分だ」と語った。

 ただし、大韓航空がJALの要請を受け入れるのは容易ではないとみられる。雇用労働部(省に相当)は昨年9月、大韓航空が派遣形式で外国人パイロットを長期にわたり雇用していたという理由で、検察に事件を送致した。飛行機の操縦は勤労者の派遣が認められている32種の業務に該当しないにもかかわらず、人材派遣会社を通じて外国人パイロットを間接的に雇用したとの理由からだ。また、パイロットの労働組合も派遣に反対している。労組側は「会社は、違法となる派遣形態での外国人パイロット雇用をやめ、パイロット養成プログラムによって新たな(韓国人)パイロットを養成するなど、代案を検討すべきだ」と主張している。

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