チュ氏は「漁業関係者の懸念」に対するチョン教授の考えを問うたが、チョン教授は同じように「全く心配する必要はない」と答えた。
チョン教授は「福島で放流される予定の量はその地域から2-3キロ離れれば韓国の川の水と同じレベルに下がるので、韓国に放射線の影響が出るなど想像もできない」「また福島に保管されているトリチウムの総量は3グラムにもならない。韓国の東海に雨水で落下するトリチウムの量は5グラムだ。福島で3グラムを一度に全て排出したとしても、韓国で雨を通じて落ちてくる量のごく一部のレベルだ。その量が韓国の海洋生物に放射線の影響を及ぼすなどあり得ない」と説明した。
チョン教授はさらに「韓国でも正常運転中に出てくる液体廃棄物は、福島と全く同じフィルターを通じて排出基準以下に希釈され、海に放流されている」と述べた。
これに対してチュ氏が「日本は事故を起こした汚染水ではないか」と重ねて懸念を示したが、チョン教授は「韓国の原発から排出される汚染水のトリチウムも毎年1グラムほどだ。事故であれ通常運転の過程であれ排出される濃度が重要だ」と述べた。
チョン教授は「科学的に容認できない線がある。排出基準を超過した状態であれば排出してはならない」と強調した。ただしチョン教授は「これについても個人の認識の差がある。狂牛病問題のときも政府は大丈夫と説明したが、それでも食べない人はいたし、安いしおいしいので食べるという人もいた。(汚染水問題は)個人の取捨選択の問題に過ぎず、国家的なガイドラインの問題ではない」と説明した。
最後にチュ氏が「漁業関係者の心配は杞憂(きゆう)なのか」と質問すると、チョン教授は「そうだ。漁業関係者の中には放射線への心配もあるが、売れないことを心配する方が多い。『放射線は危険だ』という人の扇動が原因で漁業関係者に被害が出ている」「非科学的な扇動はやめるべきだ」と訴えた。チュ氏が「日本の科学者の中にも『汚染水は危険』という見解を示す人もいる」と指摘すると、チョン教授は「量について語らないで、トリチウムやプルトニウムそのものがいかに危険かという話ばかりする科学者もいるが、そんな話はすべきでない」と付け加えた。
番組の最後にチュ氏は「汚染水放流についてはさまざまな主張があり、さまざまな学界の主張をいろいろな角度から聞いている」「チョン教授は『汚染水はそんなに心配する必要はない』と話をした」とまとめた。その際にチョン教授に正確な専攻分野を確認した。これに対してチョン教授は「熱伝達。原子力安全工学が私の専攻」と答えた。
【写真】最後の望みを絶った? 司会者に専攻分野を確認され「原子力安全工学」と返答する慶煕大チョン・ボムジン教授
この番組を聴いた視聴者からは「いくらやっても意図した通りにならないので、教授の専攻が原子力分野でないことを願って最後の質問をしたようだ」などのコメントもあった。
キム・ジャア記者