ウクライナ侵攻を非難してきた日本に対し、ロシアが天然ガス600万トンの供給を事実上ストップすることを示唆した。日本の複数のメディアが3日に報じたところによると、ロシアのプーチン大統領は1日「特定外国・国際機関による非友好的な行動に関する燃料、エネルギー分野特別経済措置に関する法案」に署名した。
この法案によると、ロシア、英国、日本の共同プロジェクトであるサハリン2で年間1000万トンの天然ガスを採掘し、その60%を日本に供給するサハリン・エナジーは全ての権利と資産を新しい法人に譲渡しなければならない。この新法人が日本との従来の供給契約を再検討し中断する可能性が高まったのだ。運営企業のサハリン・エナジーはロシア国営企業のガスプロム・サハリン・ホールディングスが株式の半分を、英国のシェル(27.5%)、日本の三井物産(12.5%)、三菱商事(10%)が残りを保有している。
新法人の株主構成は現時点で明らかになっていないが、新法人では株主は1カ月以内にロシア当局の許可を受けるよう定められている。サハリン2はこれまで日本に大量の天然ガスを低価格で長期にわたり供給してきた。また中東やオーストラリアに比べて地理的に近く、運送費も少ない。最悪の場合600万トンの供給がストップすれば、日本の一部地域では電力供給に問題が生じる恐れもある。日本の天然ガス輸入量全体の8.8%に相当する。
日本では福島原子力発電所の爆発事故以来、電力全体で火力発電が占める割合が80%近くに達しており、うち天然ガスは35-40%を占めている。日本経済新聞は「サハリン2は現在、市場取引価格の3分の1程度と安く、長期契約の価格で天然ガスを供給してきた」「供給がストップし、それらを全て市場で調達する場合は追加で約2兆円の費用がかかる」と報じた。問題は、天文学的な額を投資したとしても、全世界が燃料不足に苦しむ状況のため必要量の確保が難しくなりかねない点にある。
東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員