英経済紙フィナンシャルタイムズはこのほど、日本の半導体産業が市場シェアを高めるためには人材補強が必要だと分析した。日本の半導体企業は復活を夢見て大規模投資を断行しているが、人材不足問題にはこれといった対策がないとの指摘だ。
同紙によると、日本の電子情報技術産業協会(JEITA)は最近の報告書で、東芝、ソニーなど日本の大手半導体メーカー8社に対し、今後10年間で3万5000人のエンジニアを採用する必要があると提言した。新型コロナによる半導体不足を体験し、日本は関連投資を増やしているが、求人難を避けることは難しい状況だ。
日本政府は国家安全保障の角度から先端半導体開発支援を宣言し、ソニー、キオクシアなど企業も約10兆ウォンに達する大規模投資計画を発表した。問題はそれを実行する人材がいないことだ。
1980年代後半、日本が世界の半導体市場シェアの半分以上を占めていた全盛期には優秀な人材があふれていたが、2008年の金融危機で大量解雇が発生し、半導体産業で熟練したエンジニアを探すことが難しくなった。
日本の政府統計によれば、25歳から44歳までの半導体産業就労者は2010年の38万人から21年には24万人に減少した。半導体人材のプールが縮小する中、今後を担う大学生も半導体業界を回避している。半導体産業が長期にわたって魅力を失ったため、大学で半導体を勉強した学生が金融やテクノロジー企業を選んでいるためだ。
これに関連し、東芝は「日本の科学者の大半は半導体ではなく、ITに関心が高い。世界の半導体業界は今、最高のエンジニアを巡る競争を繰り広げている。我々は競争力を備える方法を講じるべきだ」と指摘した。
イ・ヨンソン記者