韓国総合株価指数(KOSPI)が1年7カ月ぶりに2500を割り込み、借金をしてまで株式に投資をした個人投資家が最悪の状況に追い込まれている。証券会社に信用取引の担保として預託してある株式が下落し、証券会社が強制処分する「反対売買」も急増している。
金融投資協会は14日、投資家が証券会社から借り入れた信用取引融資の残高が13日現在で21兆6197億ウォン(約2兆2700億円)に達することを明らかにした。年初から増加傾向が頭打ちにはなったが、コロナ直前の2019年下半期(9兆ウォン)と比較すると2倍を超える。
年初来の利上げで証券会社が信用融資の金利を上げ、融資利用者の返済負担が増大している。新韓金融投資は今月初め、融資期間7日以内の金利を年4.50%から4.75%に引き上げ、DB金融投資、教保証券、未来アセット証券なども最大で0.2%引き上げた。
株価が急落したため、融資の担保として預託した株式を証券会社で強制的に売却する「反対売買」も急増傾向にある。13日の反対売買は166億ウォンで、5月31日(120億ウォン)と比べ大幅に増えた。
反対売買が発生すれば、融資を受けた投資家は借入金だけでなく、投資元本もほとんど失うため、大きな損害を出すことになる。証券会社が融資を回収するため、担保の株式を安値で売却し、損失責任を投資家に負わせるためだ。
国内証券6社(サムスン証券、韓国投資証券、NH投資証券、ハナ金融投資、新韓金融投資、大信証券)で反対売買が発生するほど株式の担保価値が落ちた証券取引口座は先月初め2911口から13日時点で1万6554口へと1カ月余りで約6倍に増えた。
13日ににも韓国株が急落したことを考慮すると、実際に売買代金を決済する15日には証券市場の寄り付き直後に反対売買が殺到し、株価が一段安となる可能性がある。証券市場の下落が長引けば、反対売買も増え続け、株価がさらに下落する悪循環に陥りかねない。
ユン・ジンホ記者