20年前に戻るロシア…庶民はジャガイモを植え車の部品は使い回し

 ロシア・カリーニングラードの自動車組み立て工場では今月初め、郊外にある会社の敷地約10万エーカー(約4万468平方メートル)を社員に畑として無償で貸し出した。欧米による制裁で部品の輸入がストップし工場が稼働できず、仕事がなくなった社員のために考案した対策だ。会社はホームページに「困難な経済状況の中で社員たちは自分の食料を自分で栽培できる機会だ」として「抽選で160人の社員を選び、高品質のジャガイモの種芋を提供する」と明らかにした。

 26日(現地時間)付の米ニューヨーク・タイムズ紙によると、ロシア国内では生活必需品の価格が高騰し、庶民は非常に苦しんでいるという。ナイキ、スターバックス、マクドナルドなど1000以上の欧米の外資系企業がウクライナ侵攻による物流や決済などの問題を理由にロシアから撤退したためだ。英フィナンシャル・タイムズは「輸入自動車の部品やノキアなど通信機器の部品が手に入らなくなった人たちは中古品から部品を取り出し、これを使って修理するなど使い回しを行っている」と伝えた。ロシアの先月の物価上昇率は17.8%に達した。

 FedExやDHL、UPSなど国際的な物流企業もロシアへの配送を拒否しており、ロシアがほぼ輸入に頼ってきた印刷用紙、生理用ナプキン、衣服の生地なども簡単に手に入らなくなった。モスクワのあるデザイナーはワシントン・ポストの取材に「保管しているイタリアの生地を全部使い果たしてしまえば、今後は輸入が難しいので経営する洋服店を閉めるだろう」と述べた。ウイスキーやラム酒、バーボンなど毎年米国から輸入していた700万リットルの酒類が手に入らなくなったことも大きな問題だ。あるモスクワ市民は「靴やソーセージは手に入るが、質は良くないし価格ははるかに高くなった」「1970年代に戻ったようで怖い」と話した。

 スウェーデン国防研究所のトーマス・マローフ研究員は「ロシアは自分たちが生産できるものだけに依存するしかない状況だが、おそらく20年前の水準に戻るだろう」「欧米との格差は徐々に大きくなり、ロシアはこれを克服できないはずだ」と予想した。

キム・スギョン記者

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