文在寅大統領、無窮花大勲章を「セルフ授与」

退任前の最後の国務会議で議決
夫婦2セットで製作費1億3600万ウォン

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、退任を控えて最後に主催した国務会議(閣議に相当)で、自分自身と金正淑(キム・ジョンスク)夫人が受け取る「無窮花大勲章栄誉授与案」を議決した。この日の国務会議では、与党「共に民主党」が強行採決した「検捜完剥(検察捜査権完全剥奪)」法も議決・公布した。

 無窮花大勲章は、賞勲法に定める韓国最高の勲章だ。大統領および大統領配偶者、友邦の元首およびその配偶者、または韓国の発展や安全保障に寄与した功績が著しい元職の友邦元首およびその配偶者に授与する(賞勲法第10条)。金・銀・ルビー・アメジストなどの貴金属・宝石で作られ、1セットにつき6800万ウォン(約699万円)ほどの製作費がかかり、製作期間も2カ月以上を要する。

 青瓦台(韓国大統領府)側は、歴代の韓国大統領はいずれも退任に伴ってこの勲章を受け取ったと説明した。だが文大統領夫妻が勲章を受け取る案件を文大統領自身が直接議決したという点から、「セルフ授与」という批判も起きている。朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席は今年3月、こうした論争が起きると、フェイスブックに「文大統領が勲章を自ら要請して受け取るかのように誤解されかねないが、実際はそうではない」「賞勲法第10条の法律を執行するだけ」と書き込み、さらに「李承晩(イ・スンマン)大統領から、ほとんど全ての大統領が就任当初に授与し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)大統領だけが任期末に授与した」「文大統領は就任当初に授与しなかったので、任期末に授与する案を検討するしかない」と説明した。

 韓国現職大統領の「セルフ授与」は代々問題になってきた。李明博・元大統領が任期末にこの勲章を受け取る際、民主党は「ふてぶてしさは金メダル級」とコメントした。外国でも、国家元首に最高の権威ある勲章を授与するケースはあるが、退任後の評価を経てから授与する例が多い。

金慶和(キム・ギョンファ)記者

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