HYBEはこの日のオーディションで、参加者全員のパフォーマンス動画とプロフィールを撮影した。BTS専属レーベルのBIGHIT MUSIC(ビッグヒット・ミュージック)、BELIFT LAB(ビーリフト・ラブ)、SOURCE MUSIC(ソース・ミュージック)、PLEDIS(プレディス)エンターテインメント、KOZエンターテインメント、HYBEレーベルズ・ジャパン、HYBEアメリカというHYBE傘下の7レーベルがすべて参加したオーディション。日程の問題で現地に来られなかったレーベルも後で見られるように動画や記録を残したのだ。アイドル志望者たちがデビューをかけて競うオーディションは、それ自体が商品になることもある。この日のダンス審査には「BTSの振付師」として知られるパフォーマンス・ディレクターのソン・ソンドク氏が直接評価担当者として派遣された。
以前に比べて現地出身のアイドル・メンバーの活躍が広がり、企業価値を高める好材料になっているケースもある。事実、先月21日にHYBEがラスベガスで大規模オーディションを行うことを初めて発表した直後、三日間にわたってHYBEの株価が上昇し、投資家の買いも相次いだ。業界関係者は「海外オーディション開催そのものが新グループに対する期待につながる」「海外進出で『大ヒット』は難しくても、『中ヒット』は容易になっているだけに、人材確保競争はさらに激しくなるだろう」と語った。
業界では多様な海外メンバー獲得成功例を積み重ねているところだ。現地メンバーを加えれば、彼らの出身地でのグループ知名度も向上可能だというメリットがある。タイ出身のBLACKPINK(ブラックピンク)リサと(G)I-DLE(ジー・アイドゥル)のミンニ、インドネシア出身のSECRET NUMBER(シークレットナンバー)ディタらがその代表的な例だ。かつてこうした外国人メンバーたちは韓国に来てK-POP市場に入る形だったが、今はスタートから海外活動を中心とするグループに入ることが多い。例えば、日本のソニーミュージックとJYPが合同で選んだ全員日本人メンバーの9人組ガールズグループNiziU(ニジュー)は日本でデビューし、デビュー曲リリース当日から日本のオリコンランキングで1位になった。
今回のラスベガス・オーディションで選ばれたアイドル志望者たちも、今後レーベルの選択によって現地と韓国の練習生のどちらかに割り振られてデビューに備えることになる。HYBEのイ・ジンヒョンCCO(コミュニケーション総括)は「私たちは常に新しい才能を必要としている。パイプライン(輸送路)の概念で新人を発掘しようと努力しているところだ」「各レーベルで新人を選ぶ観点が違うが、どこも今回のオーディションを評価している」と語った。
ユン・スジョン記者