キノコよりも高い国産化率を誇る作物はイチゴだ。2005年に開発された「ソルヒャン」という品種は、当時80%を占めていた日本の品種を追いやった。「ソルヒャン」の急速な普及に伴いイチゴの国産化率は昨年96.3%まで上昇した。特に、イチゴは韓国産の品種が人気を集め、2012年に2244万ドル(約27億4000万円)だった輸出が、昨年は6348万ドル(約77億6000万円)にまで増えた。韓国産のイチゴが高級果物と認識された香港やシンガポールでは、コロナ以後に物流網が閉鎖されると、チャーター機まで利用して輸入するケースも見受けられた。韓国産イチゴの種「サンタ」は、1500万ウォン(約150万円)のロイヤルティーで中国に輸出することとなった。
■パプリカやキャベツなどの新種も続々登場
事実上の「種子独立」を成し遂げたイチゴは、新しい改良品種も続々と登場している。忠清南道農業技術院のイチゴ研究所が作り出した「キングスベリー」「サニーベリー」「ドゥリヒャン」などが代表的だ。忠南道論山市でイチゴ農家を始めて9年になるパク・スジンさんは、今年2000平方メートル規模のビニールハウスに「ドゥリヒャン」を植えた。「ドゥリヒャン」は「ソルヒャン」よりも糖度が1-2ブリックス(brix、1ブリックス=100グラム当たり糖分1グラムを含む)高く、香りも良い。パクさんは「忠南研究所で新しく開発された品種ということで、試しに『ドゥリヒャン』を植えてみたが、おかげで今年はイチゴの在庫がなくなるほどによく売れた」と現況を語った。
国産新品種の開発には、消費者のニーズに合わせて新しい商品を開発するために競争を繰り広げてきた流通業界も、大きな役割を果たした。「ドゥリヒャン」も、当初は販路開拓に苦戦を強いられたものの、これをロッテマートが開拓。ヒット商品へとのし上がった。Eマートが2016年に発売し始めたラオン・パプリカは、初年度に売り上げ3億ウォン(約3000万円)を計上して知られるようになり、パプリカ全体の売り上げの15%を占めるまで成長した。通常のパプリカよりも小さいが、サクサクとした食感で2020年には25億ウォン(約2億5000万円)の売り上げを計上した。普通のキャベツよりも甘い「タルコミ・キャベツ」は、2018年にEマートで33万個が売れて以降、昨年は40万個まで販売を伸ばした。ロッテマートの関係者は「新しい味を求める消費者が増え、マート側も新しい国産品種を積極的に求めている」とした上で「国産品種は韓国の土地や気候によく合うため、韓国人消費者の口にも合う」と、国産品種の人気に触れた。
チョ・ソンホ記者