4月11日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と映像で向き合った韓国の国会議員はおよそ50人ほどだった。戦争中の国の現職大統領が自ら惨状を知らせて助けを求めてきた場なのに、300人いる韓国国会議員のうち出席したのは2割に満たず、座席はガランと空いていた。朴炳錫(パク・ピョンソク)国会議長など国会議長団も姿を見せなかった。取材陣の間から「なぜこんなに出席者が少ないのか」「ウクライナ、国際社会に顔向けできない」というささやきが漏れた。
現場の雰囲気も、普段の小規模セミナーのようなものだった。場所は国会本会議場より格下の国会図書館大講堂だった。与野党の議員は、ゼレンスキー大統領の演説の前後に壇上でウクライナ戦争について短い発表を行ったが、一部は議員個人のPRに近い発言を行ってにらみつけられた。
最も恥ずかしく思った瞬間は、ゼレンスキー大統領の演説中だった。一部の議員は椅子の背もたれを倒し、体を預けて座りながら演説を聞いていた。下を向いてスマートフォンをいじったり、うとうとしたりしているような議員もいた。演説が終わると、議員らは椅子に座ったまま拍手をした。大統領選挙中、与野党の議員は誰も彼もが「ウクライナの痛み」に理解を示す発言をしていたが、この日、そうした熱意を見いだすのは困難だった。
韓国に先立ち、ゼレンスキー大統領が米国・英国・日本など23カ国の議会で演説を行った際には、例外なくスタンディングオベーションが起きた。米国ではナンシー・ペロシ下院議長をはじめ議員らが議会の講堂をぎっしり埋めた。英国議会は、外国の首脳としては初めて、ゼレンスキー大統領に下院の議場で演説する機会を提供し、演説の場にはボリス・ジョンソン首相も出席した。
11日の演説後、韓国のインターネットには、空席が見当たらない外国議会とガランとした韓国国会の様子を比較する写真がアップされた。戦争の惨禍を経験した韓国は、どの国よりもゼレンスキー大統領の訴えに耳を傾けるべきではなかったか。ゼレンスキー大統領がこの日に行った演説の一節に、顔を上げることができない。「韓国は1950年代に戦争を経験しました。数多くの民間人が命を失いましたが、乗り越えました。そのとき、国際社会が多くの支援を行いませんでしたか? 今度は韓国と国際社会がわれわれを助けてください」
ノ・ソクチョ記者