「文大統領夫人の服代・靴代、数百万ウォンずつ現金払い」

「無形文化財」キム・ヘジャ氏が本紙に証言
青瓦台「夫人の私費で現金払いしたもの」
警察庁傘下の反腐敗捜査隊が告発事件を担当

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の妻・金正淑(キム・ジョンスク)夫人が青瓦台(大統領府)に入った後、韓服6着・靴15足などを購入した際、これを毎回数百万ウォン(数十万円)ずつ全額現金払いしたという証言が飛び出した。金正淑夫人の韓服購入には青瓦台の兪松和(ユ・ソンファ)元春秋館長(当時は秘書館長)が同行し、同氏が封筒に入った現金を渡したということだ。

【写真】国賓訪仏の際に文大統領夫人が着用したシャネルのハングル入りジャケット

 重要無形文化財第107号で刺し子の匠(たくみ)、キム・ヘジャ氏は30日、本紙の電話取材に「金正淑夫人は2017年に大統領夫人になった直後、随行員2人と共に慶州の工房を直接訪ねてきて、刺し子を施した韓服2着、刺し子のないチマチョゴリとトゥルマギ(韓服の外とう)各1着を買って行った。また、生地を持参してきて1着あつらえた」「合計700万ウォン(現在のレートで約70万円)で、支払は全額5万ウォン(約5000円)札の現金だった。兪松和秘書官がお金を紙の封筒に入れて渡した」と話した。さらに、「その後、金正淑夫人が休暇だと言って訪ねてきて、300万ウォン(約30万円)の韓服コートをあつらえていき、その時も兪松和秘書官が現金で支払った」とも言った。

 これらの韓服のうち1着は、金正淑夫人が同年7月の訪米時に着ていき、トーマス・ハバード元駐韓米国大使の妻ジョアン・ハバード夫人が「美しい」と称賛すると、即座に脱いでプレゼントしたものだ。

 青瓦台の卓賢民(タク・ヒョンミン)儀典秘書官はこの証言の前の30日朝、TBS(交通放送)のラジオ番組『金於俊(キム・オジュン)のニュース工場』に出演し、「(衣類と装身具はすべて)私費で、カードで購入した」と主張していた。キム・ヘジャ氏は、「ひょっとしてクレジットカード決済は受け付けていないのか」という記者の質問に、「とんでもない。カードを渡されたらカードを受け取り、現金を渡されたら現金を受け取る」と答えた。また、キム・ヘジャ氏は「金正淑夫人はそれ以前もソウルの工房や展示室などにしばしば来ていたが、その時は見ただけで、一度も購入したことはない。実際に商品を買ったのは(文大統領の)当選直後が初めてだった」と言った。

 金正淑夫人にオーダーメイド靴を販売したソウル市城東区のJSシューズデザイン研究所チョン・テス代表も「金正淑夫人は2017年の文政権発足後、はじめは靴を9足、次は6足と2回にわたって買っていった」「二度とも支払は封筒に入った現金だった」と話した。本紙が弁明を求めると、兪松和元秘書館長はこれを拒否した。青瓦台関係者は「金正淑夫人の私費を現金で払ったものだ」「税金計算書も発行するよう指示したと聞いている。問題になることはない」と言った。

 一方、ソウル警察庁は同日、金正淑夫人が強要・業務上横領などで告発された件について、同庁傘下の反腐敗・公共犯罪捜査隊に担当させたことを明らかにした。これは、今月25日に市民団体「庶民民生対策委員会」が告発状を提出したのを受けてのことだ。

チェ・フンミン記者

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