原材料不足で大騒ぎしているのに…「積弊」扱いされて売却される韓国保有の海外鉱山(下)

 鉱害公団は資産売却のために民間委員で構成される海外資産管理委員会を設置した。同委で売却が決定された鉱山は現在売却手続きが進められている。鉱害公団は今月に入り、コブレパナマ鉱山、ワイオン鉱山の売却コンサルティング会社との契約を延長し、売却作業を続けている。

 海外資産管理委が売却の中断を決定した場合、企画財政部傘下の公共機関運営委員会の最終審議を経なければならない。政府は売却中断が行き詰まった場合、韓国企業に売却する案を検討しているとされる。

 資源を確保するために世界各国が激しい競争を繰り広げる中、既に所有している海外鉱山を売却すれば、資源安全保障を脅かすという指摘が多い。これについて、業界は次期政権が海外資源開発を原点から見直し、資産別に玉石を選り分けるべきだと提言している。

 資源外交を積弊扱いした文在寅政権は、鉱害公団以外にも、政府系企業が投資した海外鉱山を相次いで売却している。韓国石油公社は健全経営とされる米アンカー・ホールディングスのメキシコ湾海上油田の売却を決め、海外企業と交渉を進めている。メキシコ湾海上油田は石油公社が2008年に1兆ウォン(約990億円)を投資して80%の権益を取得した。現在、石油公社は51%の権益を保有している。

 同油田では、公社の権益保有分ベースで1日平均3600バレルの原油・ガスを生産している。最近原油価格が1バレル=100ドル台で推移していることを考えれば、1日で36万ドル(約4300万円)規模の原油・ガスを生産していることになる。石油公社は現在、保有している17カ国・31鉱区のうち半分近い6カ国・13鉱区の売却を進めている。

 韓国ガス公社は、海外に11のガス事業所を保有しているが、独自に定めたロードマップに基づき、海外資産の大半の売却を進めている。昨年の政府による海外資源開発支援金予算は349億ウォンで、17年(1000億ウォン)に比べ3分の1に減った。

 業界関係者は「海外鉱山投資は初期投資が巨額で、成功確率も10-15%程度であるため、民間企業が参入するのは負担だ。既に埋蔵量が確認された鉱山まで売却するというのは、過去の政権の痕跡を消す行為にすぎない。海外鉱山の価値を評価し、玉石を選り分けて売却するかどうかを決めるべきだ」と述べた。

ソン・ギヨン記者

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