日本・フィリピンもウクライナ避難民受け入れ…韓国は沈黙

世界37カ国が「人間愛実践」で連帯

 ロシアによるウクライナ侵攻から二十日目の15日(現地時間)、戦争の惨禍を避け、国外に出たウクライナ避難民の数が300万人を超えた。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が同日、世界各国の報告や独自の分析を通じてホームページ上で明らかにしたウクライナ避難民は計306万3095人だ。UNHCR関係者は「行くところがない人々のために、これまでに少なくとも37カ国が避難民受け入れに乗り出した」「第二次世界大戦以降で最悪という難民の危機的状況において、さまざまな国が人間愛を実践しようと連帯(solidarity)の力を見せている」と述べた。

 まず、ポーランド、ルーマニア、モルドバ、ハンガリー、スロバキアなどの周辺国が避難民に対して門戸を開いた。米国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダなど主要7カ国(G7)がその後に続き、ブラジル、スペイン、トルコなど主要20カ国(G20)メンバーも加わった。ベルギー、オランダ、オーストリア、チェコ、スウェーデン、デンマーク、ギリシャなど欧州連合(EU)加盟国も一斉にこの隊列に合流した。これには人口120万人のキプロスや60万人のルクセンブルクなどの小国も含まれている。

 地球の反対側のニュージーランドも4000人を受け入れることを決めた。フィリピンやスリランカのように経済規模がそれぞれ韓国の5分の1、20分の1の国でも避難民受け入れを申し出た。経済力順位上位10カ国のうちでは、韓国、中国、インドを除くすべての国々がウクライナからの避難民を受け入れる。中国とインドが親ロシア傾向であることを考えると、主要国のうち韓国だけが外れていることになる。

 ウクライナを脱出した避難民300万人は周辺国を経てヨーロッパや世界各国に散らばっていっている。最も多くの避難民を受け入れているのはポーランドだ。15日までで183万人が入国したとの集計が出ている。ポーランドの主要都市のほとんどに避難民キャンプが設けられた。自治体や市民団体を中心に宿泊施設・食料・生活必需品を無料で提供している。ポーランド政府は、避難民たちが就職し一時的にでも定着できるよう労働法の改正も準備している。このほか、ルーマニアは46万人、ハンガリーは27万人、スロバキアは21万人を受け入れた。

 人口260万人のモルドバは昨年の1人当たりの国内総生産(GDP)が3600ドル(約43万円)に過ぎず、「ヨーロッパの最貧国」と言われているが、これまでに避難民34万人を受け入れている。これは人口7.6人に対して避難民1人という割合だ。マイア・サンドゥ大統領は6日、トニー・ブリンケン米国務長官に会い、「避難民を助けるのは国家の(隣国としての)道徳的義務」「これらの人々に背を向けることはできない」と語った。米政府はモルドバのように自国の受け入れ能力を超えて避難民を受け入れる国を助けるため、27億5000万ドル(約3270億円)を緊急支援資金として議会に要請した。

 日本は首相が先頭に立って避難民受け入れに乗り出した。岸田文雄首相が今月初め、「ウクライナの避難民を迅速に受け入れできるようにする」と述べ、13日までに合計47人を受け入れた。日本政府はこれらの人々に1年間滞在し、就労も可能な「特定活動」という在留資格に切り替えることにした。日本は2020年に提出された難民申請3900件のうち、47件しか許可していないほど難民受け入れの門戸を狭めていたことを考えれば、今回の措置は異例だ。日本経済新聞は「(避難民受け入れ協力は)民主主義陣営の一員として責任を共有する姿勢が試される」「米欧と足並みをそろえて対応する必要性も重視した」と分析している。

 一方、今年5月に退く文在寅(ムン・ジェイン)政権はウクライナの避難民に対してこれといった関心を示していない。先月28日、法務部が国内に滞在しているウクライナ人3800人を対象に人道的特別滞在措置を施行するという措置を取ったのがすべてだ。政府関係者は16日、「現地の避難民発生状況などを鋭意注視しながら、ウクライナの人道的危機を解消する案を引き続き検討していく予定だ」とだけ述べた。

パリ=チョン・チョルファン特派員、東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員、李竜洙(イ・ヨンス)記者

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