韓国外交部(省に相当。以下同じ)の鄭義溶長官と中国の王毅国務委員兼外交部長(長官)が28日にテレビ会談を行い、最近の韓半島情勢とロシアのウクライナ侵攻、韓国の国民感情などについて意見を交換した。
韓国外交部は、テレビ会談で鄭長官と王外相が、今年で両国が国交正常化30周年を迎えることを祝い、この先両国関係が成熟して健全かつ未来志向的に発展していけるよう、引き続き緊密に協力していくこととした-と伝えた。
韓中関係について、韓国外交部は「双方は両国民間の相互理解と友好感情の増進が韓中関係の未来の発展における重要な基調だという点で共感した」とし「国交正常化30周年と『韓中文化交流の年(2021-22年)』に合わせ、両国民間の友好感情が一層高められるように積極的に努力していくこととした」とだけ伝えた。
しかし中国側は、王外相の発言を細かく伝えた。中国外交部によると、王外相は「中国は韓国政府が中国に対し友好的な政策を追求していることを高く評価している」とし「それが韓国の長期的利益であるだけでなく、地域の平和と安全を維持する上でも役に立つ」と語った。こうした発言は、北京冬季オリンピック開会式に朝鮮族の女性が少数民族代表として韓服を着て登場し、五星紅旗を届けたことや、ショートトラックの競技で起きた不公平判定問題などで両国国民間の感情が悪化する中で行われた。
9日後に迫った韓国大統領選挙に対する言及もあった。王毅外相は「中国側は、韓国の大統領選挙が順調に処理されることを祈りつつ、両国関係が安定的に履行され、一段階高い水準へ進むことを希望している」と語った。この発言に対する鄭長官の回答は紹介されなかった。
韓国外交部は、鄭長官と王外相が韓半島情勢についての評価を共有し、韓半島平和プロセスの早期再稼働の必要性と重要性について意見が一致した、と伝えた。また、北朝鮮を速やかに対話へ復帰させることのできる案について意見を交換した、と明かした。
中国外交部によると、王外相は「中国と韓国は韓半島の平和と安定を守る上で共通の利益を共有している」と発言し、さらに「韓半島の緊張の高まりを防止するための最も効果的な方法は、速やかに対話を再開すること」「米国が北朝鮮の合理的関心事を解決する上で真剣さのある行動を見せること」と語った。
また両国は、日本の佐渡金山の世界遺産登録推進、福島第一原発の汚染水など、最近の韓日間の対立事案についても意見を交換した。原材料などの供給網の安定的管理、文化コンテンツ交流の活性化、環境問題などさまざまな生活密接分野で実質的協力を強化することでも意見が一致した。両外相の会談は昨年10月にイタリアのローマで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際の会談以来、4カ月ぶりだ。
ソン・ドクホ記者