日本も代表選手の活躍に日々一喜一憂している。日本選手は今回の冬季オリンピックで過去最多のメダル(16日時点で金2・銀5・銅7)を獲得するなど善戦しており、新聞各紙やテレビでもオリンピックが大きく取り上げられている。中でも最も注目を集める選手は平野歩夢選手(24)だ。平昌大会銀メダリストの彼は今月11日に行われたスノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した。身長165センチと背が低い彼が審判の不可解な採点結果を乗り越えて最後に優勝すると、列島全体が興奮に包まれた。
SNS(会員制交流サイト)でも平野選手が大きな話題になった。中でも面白いことは韓国メディアが平野選手の競技を中継した映像を日本人が共有したことだ。韓国の解説者は平野選手に「行こう!」と叫んだ。平野選手の点数が出た瞬間「歩夢がついに審判を説得した」と喜んだ。感激した声で「身体の限界は壁ではない」「(スポーツは)身長ではなく心臓でやるものだ」と叫んだ。
韓国の解説者が平野選手を熱く応援したことに日本人たちも大きく感動したようだ。韓国関連のニュースがネットで話題になると、そのコメントや書き込みは到底見ていられないのが普通だ。しかしこの日は違った。「韓国の解説者の情熱が韓日関係も解決してくれそうだ」「韓国語は分からないがただ良い気分だ」「やはりスポーツは本当に良い」などのコメントが相次いだ。「ネットばかり見ていると(両国関係は)険悪さしか感じないが、現実のほとんどはこんなものだ」との評価もあった。スピードスケート女子500メートルで平昌大会金メダルの小平奈緒選手が17位と不振に終わると、韓国で解説を務めた李相花(イ・サンファ)氏が泣き出したことも大きな話題になった。日本のある外交官は「このような韓国人の生き生きとした話がもっと多く伝えられたらよいのだが」と語った。「凍り付いた両国民の心を溶かしてくれるだろう」という意味だ。
韓日関係は最悪だとされるが、実際に日本人と会えば「韓国人から受けた好意や親切に感動した」といった話をよく聞く。知韓派日本人の多くが「韓国関連の仕事をなぜやるようになったのか」との質問に「韓国を初めて訪問したときに親切な韓国人から良い意味で衝撃を受けた」と語る。その逆も同じだ。
2019年に日本が輸出規制を行ってから両国関係は改善の兆しが見えない。その間に日本では首相が2回交代したが、対面での正式な首脳会談は1回も行われていない。コロナの影響もあるが、民間交流も完全にストップしている。それでも今月12日に林芳正外相就任から3カ月後に両国外相が直接会って会談した。これまでの主張を繰り返しただけで終わったが、「それでも率直な意見交換はできた」との評価もあった。政府高官も民間も直接会って交流しようとする努力を続けねばならない。状況が困難であっても実際に会えば何かが見えてくるはずだ。
東京=崔銀京(チェ・ウンギョン)特派員