今月7日、北京冬季五輪で中国に2個目の金メダルをもたらしたショートトラック男子1000メートルの判定に韓国メディアが反発する中、新華社通信など中国の主要メディアは韓国国内の反中ムードを紹介することはなかった。ただし、愛国主義傾向の強い環球時報、観察者網など一部メディアは、韓国のネットユーザーたちが中国の選手やコーチ陣を攻撃しているという内容の記事を掲載した。
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環球時報の国際評論関連のSNS(会員制交流サイト)アカウント「補一刀」は9日「韓国人の多くはショートトラックのペナルティー規定を分かっていない」として「韓国は長い間、中国・日本という二つの強大国の陰に隠れているうちにいつしか劣等感が生まれ、そのせいで(ショートトラックの)判定を中国びいきで韓国をバカにした不公正なものだと考えている」と主張した。このメディアは「ショートトラックの競技規則が厳格になったことで、短期的に見ると韓国のような伝統的な強豪が適応できないという現象が発生しているが、長期的には選手の生命と健康を守り、種目の発展に寄与するだろう」として「韓国は感情的な声を抑え、新たな競技規則に適応する必要がある」とも指摘した。
観察者網は、ショートトラック中国代表チームのビクトル・アン(韓国名:安賢洙=アン・ヒョンス)コーチに対する韓国内の批判的な世論について、「韓国は(アン氏を)批判する資格がない」という王濛・元中国代表監督の発言を紹介。アン・コーチはかつて韓国代表だったがロシア国籍を取得し、今回の五輪では中国代表コーチを務めている。王濛氏は7日、中国のテレビでショートトラック男子1000メートルの解説を務めた。王濛氏は「私は彼(アン・コーチ)をロシアから連れてきたのであって、韓国から連れてきたのではない」として「ロシアで引退を宣言し、自分のための舞台を求めていたアン氏を連れてきた」と話した。中国メディアはアン・コーチについて、韓国国籍ではないものの韓国人の末裔(まつえい)だという意味で「韓裔」と表現している。
北京晩報など多くの中国メディアは9日、韓国刑事・法務政策研究院が昨年12月に発刊した「スポーツ界の腐敗の実態および関連制度改善に関する研究」と題する報告書を引用し、韓国スポーツ界の不正が深刻で、選手・コーチの選考過程で不正・腐敗が蔓延していると報じた。