京畿道高陽市に住むモ・ユジンさん(26)は先日、護身用の警報器とこしょうスプレーを購入し、職場の同僚と分け合った。モさんは「護身用品を購入して自分の体は自分で守ろうと考えるようになった」と語る。ソウル市恩平区に住む中学生のイムさん(14)は昨年11月24日、ネットで警察官が使う「3段式警棒」を1万8500ウォン(約1770円)で購入した。取材に応じたイムさんは「普段からかばんに入れて外出し、緊急事態で使うために買った」と話してくれた。
最近はマンションでの騒音やストーカーなどをきっかけに凶悪犯罪が相次ぎ、影響で護身用品の販売が急速に伸びている。昨年11月15日に仁川市で凶器を持った男が暴れた事件が起こったときも、警察は犯人を確認したにもかかわらず現場から離れ、11月19日には警察の保護を受けていたストーカー被害者がスマートウオッチを押して助けを求めたにもかかわらず殺害される事件が起こった。これらの事件の影響で「自分の身は自分で守る」という考えが広がっているのだ。ネット通販の「11番街」によると、11月1日から25日までに3段式警棒、警報器、スプレーなど護身用品の販売は昨年の同じ期間に比べて56%増えた。大きな音を出す電子ホイッスル、ポケットに入れて相手を攻撃できるナックルやクボタンなどもよく売れているという。
ネットで3段棒を販売する会社の社長(27)は「私もあおり運転などの被害に備えて3段棒を常に持ち歩いていたが、10カ月前から自分で護身用品の販売店をオープンした」「世の中が殺伐としているので事業はうまくいくと考えた」と語る。この会社で商品を購入した顧客のコメント欄には「今は警察も信じられないので急いで購入した」「一人暮らしを始める前の準備のために買った」などの書き込みがあった。これらのほかにもパトカーのサイレンが鳴る護身用アプリや護身術を教えるユーチューブ動画なども大きな人気だ。
ハン・イェナ記者