光復会館内に金元雄会長の家族会社設立、会長印の文書で営業活動も(上)

 国家報勲処が金元雄(キム・ウォンウン)光復会長による横領疑惑が報じられた翌日の26日に速やかに監査に着手したのは、疑惑が非常に深刻だと判断したためとされる。光復会が国家有功者の子女に奨学金を支給する名分で国会に開業したカフェの資金4500万ウォン(約431万円)が金会長のマッサージ、理髪など個人的用途に使われたというのが疑惑の内容だ。これに関連し、TV朝鮮は同日、金会長の家族会社がソウル・汝矣島の光復会館に設立され、金会長の職印が押された公文を使い、公共機関に対する営業活動が行われていたと報じた。報勲処は新たな疑惑についても監査を実施する可能性が高い。野党国民の力の金起ヒョン(キム・ギヒョン)院内代表は「(疑惑が)事実であれば、親日派よりもひどい。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は立場を表明し、関係者の責任を問うべきだ」と指摘した。

【写真】国家有功者の子女向けの奨学金を支給するという名分で光復会が経営してきたカフェ「ヘリテージ815」

 光復会は日本からの独立運動に関わった運動家やその子孫や遺族からなる団体で、汝矣島に「光復会館」を構えている。光復会は2020年5月から人通りの多い国会疎通館前で「ヘリテージ815」というカフェを経営してきた。このカフェの運営を統括していた元光復会企画部長A氏はTV朝鮮に対し、金会長の指示で過去1年間にカフェの資金4500万ウォン余りを横領し、その資金は金会長の衣装購入、マッサージ、理髪などに使われたと暴露した。

 金会長はA氏に「国会のカフェから得られるカネをもう少し自由に使えたらと思う」と語ったという。A氏は自身が横領した資金を入金した内訳、その資金を理髪店、韓服(韓国の伝統服)業者などに送金した内訳などが記載された預金通帳の写しを証拠として提示した。金会長の秘書の名義で開設された口座の通帳だった。通帳の写しに登場する理髪店の関係者は「彼(金会長)の側近らが来て、(決済)することがあった」と述べ、A氏の主張を裏付けた。

 A氏は「金会長の秘密資金は基本的にカフェから支出され、(不足分は)私が埋め合わせしたと思ってよい」とも語った。横領する資金が足りなければ、自腹を切ったという主張だ。Aさんは自分だけでなく、金会長も法の裁きを受けるべきだと主張した。法律専門家の間からは金会長の指示が立証されれば横領罪が成立。立証されなくても少なくとも盗品を取得した容疑が適用されるとの見方を示した。

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