「日本の桜を抜いて、済州の王桜を植えよう」キャンペーン始まる

「日本の桜を抜いて、済州の王桜を植えよう」キャンペーン始まる

 済州島にだけ自生するサクラ「王桜(済州桜)」を韓国全土に普及・拡大させるキャンペーンが始まった。

 韓国の東北アジア生物多様性研究所は、韓国全土の市・道に「王桜プロジェクト2050」社団法人を設立し、済州産の王桜の植樹運動を展開すると26日発表した。同研究所のヒョン・ジンオ所長は「現在、全国で発起人を募集しており、山林庁長の許可を得て法人を設立する予定」と説明した。

 「王桜プロジェクト2050」は、2050年までに全国の公園と公共施設をはじめ街路樹用として、日本原産の桜の木ではなく済州の王桜を植えようという運動だ。ヒョン所長は「済州を除き、全国に植えられている王桜は、済州で自生するものではなく日本が原産の『ソメイヨシノ』であり、これは韓・日の研究者によってすでに証明されている」として「(済州島の)漢拏山に自生する王桜を繁殖・増殖し、全国に植えるキャンペーンを展開する」と説明した。

 済州の王桜は、フランス人の天主教(カトリック)神父で済州に赴任したエミール・タケが1908年に漢拏山の観音寺に自生している王桜を発見し、欧州の学界に報告したのがきっかけで世界に知られるようになった。

 しかし、王桜は1901年、日本の東京・上野公園で先に発見された。日本の王桜は「ソメイヨシノ」と呼ばれる。日本の学界ではこの桜の自生地を探したが、見つからなかった。タケ神父が発見した王桜の標本を入手したドイツ・ベルリン大学のケーネ博士は、二つの木が全く同じ王桜で、その自生地は済州島であると1912年に発表し、「韓日王桜戦争」がぼっ発した。

 日本が王桜の自生地を「済州島」と認めないため、論争が続いた。しかし、2018年、韓国山林庁の国立樹木院がゲノム解析(遺伝情報の解読)を実施して遺伝情報を完全に解読し、済州の王桜と日本の王桜は異なる種だということが確認され、論争に終止符が打たれた。

 国立樹木院は18年のゲノム解析によって、済州の王桜が済州に自生するエドヒガンを母系、ヤマザクラを父系として生まれた自然交雑種であることを確認した。さらに、国立山林科学院は、漢拏山を中心に済州地域の173か所で194本の王桜が自生していることを確認。一方、日本の王桜はエドヒガンを母系、オオシマザクラを父系として数百年前に人口交配によって作られた雑種であることが明らかになった。

オ・ジェヨン記者

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