今月24日に3年間の任期満了を控えた中央選挙管理委員会のチョ海珠(チョ・ヘジュ)常任委員が非常任委員として選管委員職をさらに3年間務めることが19日までに分かった。中央選管委員9人のうち総理級公務員である選管委員長を除き、長官級である常任委員が任期満了後、非常任委員として選管委員職を引き続き務めるのは前例がない。共に民主党はまた、国民の力が野党枠として推薦した文相富(ムン・サンブ)選管委員候補の任命に反対している。国民の力は「与党が与党寄りの選管委員で3月9日の大統領選と6月の地方選挙に影響力を行使しようとするための『居座り』だ」と批判した。
昨年7月に任期を半年残した段階で辞意を表明していたチョ常任委員は最近、再度文在寅(ムン・ジェイン)大統領に辞意を伝えた。しかし、文大統領は今回も認めなかった。青瓦台関係者は電話取材に対し、「選管の組織の安定性と選挙が迫っている状況などを考慮した決定だ。常任委員3年を務めて辞任するのは慣例にすぎない」と述べた。常任委員が任期満了後、非常任委員として3年続投しても法的には問題ないとの主張だ。チョ常任委員も前日、中央選管の幹部に「辞表が差し戻された。一般選管委員として残ることになったので、これからも頻繁に会うことになる」と話したという。
中央選管委員は委員長を含む9人で任期は6年だ。ただ、中央選管委員長(大法官)に代わり、事実上選管事務を統括する常任委員は3年の任期が満了すれば、選管委員からも退くのが慣例だった。チョ常任委員は2017年の大統領選で文在寅候補陣営の「公明選挙特補」を務めた経歴のため、3年前の任命当時から政治的な偏向問題が指摘されてきた。チョ常任委員ら現職の選管委員8人はいずれも文在寅政権下で任命され、現在野党枠の1人が空席だ。選管委員は大統領による任命3人、大法院長による指名3人、国会選出3人(慣例で与党1人、野党1員、与野党合意1人)で構成される。
民主党は国民の力が推薦した文相富候補の選出案の国会本会議への上程に反対している。民主党関係者は「文候補には国民の力の競選(党内予備選)管理委員会での活動歴があり、党員として加入していたため、公正性に反する」と指摘した。しかし、国民の力は政党推薦枠に民主党がこれまで与党寄りの人物を推薦してきた例を挙げ、ダブルスタンダードだと主張した。国民の力の金起ヒョン(キム・ギヒョン)院内代表は「青瓦台と民主党が選管を掌握するための小細工だ。有史以来一度もない初の出来事であり暴挙だ」と批判した。
キム・ドンハ記者、キム・ウンジュン記者