台湾TSMC、サムスンを尻目に440億ドル投資

サムスンも超微細工程技術で対決…半導体ファウンドリ覇権競争激化

 グローバル半導体ファウンドリ(委託生産)企業1位の台湾TSMCが今年、過去最大額の440億ドル(約5兆210億円)の設備投資を断行し、市場支配力拡大に乗り出す。昨年の投資額300億ドル(約3兆4230億円)より47%も多い額だ。

 TSMCは13日(現地時間)、「今年、台湾南部と米アリゾナ州のライン建設などに400億-440億ドル(約4兆5650億-5兆210億円)を執行するだろう」「このうち70-80%を超微細工程である2・3・5・7ナノメートル(nm=1nmは10億分の1メートル)工程開発に投入する」と明らかにした。TSMCの魏哲家最高経営責任者(CEO)は「景気後退の懸念があっても、半導体産業に対する需要は続くと自信を持っている」と語った。

 このため、半導体業界では、TSMCが投資を大幅に拡大し、業界2位のサムスン電子を引き離そうとしている、との見方が出ている。TSMCはファウンドリ市場全体では占有率53.1%でサムスン電子(17.1%)を大きく上回っているが、7ナノ以下の超微細工程で見るとTSMCとサムスン電子のシェアはおよそ6対4だ。つまり、超微細工程ラインに対し大規模投資をすることにより、アップル・クアルコム・AMD・NVIDIAのような大型顧客企業をつなぎ止めようという戦略だということだ。

 サムスン電子は今年、ファウンドリに15兆ウォン(約1兆4380億円)前後の施設投資を断行すると伝えられている。サムスン電子はTSMCより進んでいる超微細工程技術力を見せることで、投資額の差を克服する方針だ。サムスン電子は今年上半期に3ナノ半導体を世界で初めて量産し、2025年には2ナノ半導体生産に乗り出す計画だ。これは、今年下半期に3ナノ半導体を量産するTSMCの一歩先を行く計画日程となっている。半導体業界関係者は「サムスン電子がどれだけ早く3ナノ工程安定化に成功できるかがカギだ」と語った。

パク・コンヒョン記者

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