国連安全保障理事会は10日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で非公開の会合を開き、北朝鮮によるミサイル発射問題について協議を行った。今月5日に北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した直後「極超音速ミサイルの発射に成功した」と発表したことを受け、米国、フランス、英国、アイルランド、アルバニアの要請で会合が開かれた。安保理常任理事国の中国やロシアなどの反対でこの日は安保理としての決議や議長声明など追加の措置は行われなかった。北朝鮮はこの会合が終わった直後の午前7時27分ごろ、極超音速ミサイルとみられる発射体1発を再び打ち上げた。
会合を要請した5カ国に日本を加えた6カ国は会合直前、リンダ・トーマス・グリーンフィールド米国連大使を中心に共同声明を発表し、北朝鮮によるミサイル発射を糾弾すると同時に、追加の行動を控えるよう求めた。日本は現在、安保理のメンバーではないが、今回の事態を含む韓半島の安全保障を巡る議論には積極的に参加している。これに対して韓国は2024年の非常任理事国への進出を目指しつつも、この種の議論からは繰り返し外れている。
トーマス・グリーンフィールド大使は「北朝鮮によるミサイル発射は読み違いと緊張を高めるリスクをもたらし、地域の安定に深刻な脅威となっている」とした上で「これは明らかに安保理決議違反だ」と指摘した。とりわけグリーンフィールド大使は「われわれの目標は韓半島の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)だ。われわれはそのための外交に関与する準備ができている。今対話と平和を選択すべきは北朝鮮だ」とも主張した。「CVID」は北朝鮮が極度に嫌う言葉で、米国政府が最近「完全な非核化」などに換えて使うケースが増えていた。CVIDが再び使われた点でも関心を引いた。
トーマス・グリーンフィールド大使は「北朝鮮によるミサイル発射は北朝鮮の軍事的能力向上だけでなく、全世界における違法な武器の取引も後押ししている」「北朝鮮住民が人道主義的危機により引き続き苦痛を受けている状況で軍事的な投資が行われている」などとも批判した。
日本の岸田文雄首相はこの日午前9時に会見を開き「北朝鮮による前回の弾道ミサイル発射への対応が国連安保理で協議されているが、北朝鮮が引き続きミサイルを発射することは非常に遺憾だ」と指摘した。松野博一官房長官も「北朝鮮による一連の行動は日本とこの地域、国際社会の平和と安全に脅威をもたらすものであり強く非難する」と述べた。
ニューヨーク=鄭始幸(チョン・シヘン)特派員、東京=チェ・ウンギョン記者