元交際相手の家族を殺害、発端は公務員が2万ウォンで売った住所だった /ソウル

 元交際相手で警察の身辺保護を受けていた女性の家族を殺害したイ・ソクジュン容疑者(25)に被害者の住所を教えた興信所が区庁の公務員から情報提供を受けていたことが判明した。問題の公務員は興信所に被害者の住所を教える見返りに2万ウォン(約1900円)を受け取っていた。

 ソウル東部地検サイバー犯罪刑事部は10日、個人情報保護法違反などの罪で公務員A容疑者と興信所関係者2人を起訴した。公務員A容疑者には特定犯罪加重処罰法が定める収賄罪、興信所の2人には贈賄罪も適用された。容疑者らは被害者家族の住所など個人情報を違法に調べ、イ容疑者に売った疑い。

 検察によると、区庁に勤務する公務員A容疑者は自分が持つ自動車所有者の資料照会権限を使い、20年から約2年間、1101件の違法な照会を行い、興信所に提供していた。その見返りにA容疑者は毎月の照会件数に応じ、興信所から200万-300万ウォン、総額3954万ウォンを受け取っていた。

 検察はイ容疑者が被害者の情報を入手するまで3つの興信所が関与していたとみている。イ容疑者から直接依頼された興信所が他の2つの興信所を経由し、公務員A容疑者から被害者の情報を入手していた。検察の調べによると、イ容疑者は50万ウォンを支払い、被害者の情報入手を興信所に依頼。情報を漏えいした公務員A容疑者は2万ウォンを受け取り、情報を興信所のB容疑者に提供。B容疑者はイ容疑者の依頼を直接受けた業者とは異なる人物だ。問題の公務員はソーシャルメディアで「高額アルバイト募集」の広告を見て、興信所との取引を開始したという。

 イ容疑者は昨年12月10日午後2時半ごろ、ソウル市松坡区にある元交際相手の女性Cさん(21)宅を訪れ、Cさんの母親(49)と弟(13)を凶器に刺した疑い。Cさんの母親は死亡し、弟は重傷を負った。Cさんは当時家におらず無事だった。イ容疑者はCさんに性的暴行を加え、その様子をスマートフォンで撮影した疑いも持たれている。Cさんの両親が警察に通報したことを恨んでいたとされる。

 イ容疑者は昨年12月9日、興信所から被害者宅の住所を知らされ、翌日にCさん宅周辺にレンタカーで乗りつけて待機し、凶器を手に押し入って犯行に及んだ。

チェ・ジェウ記者

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  • ▲元交際相手の女性宅を訪れ、家族を殺害した疑いが持たれているイ・ソクジュン容疑者/聯合ニュース

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