英語で年齢を問う「How old…?」は表現そのものに既に満年齢の概念が含まれている。12月31日に出産した母親に、その翌日の1月1日、子どもの年齢を問うと「(生まれて)一日経った(1 day old)」と答える。年が明けて新年になると一斉に2歳になる「韓国式の年齢の数え方(=数え年)」は彼らにとってはとんでもない計算法でしかない。米国人に「新年になるとみんな一斉に1歳ずつ年と取る」と説明したが、「韓国人は全国民の誕生日がみんな1月1日なのかい?」と問い返されて、困ったこともある。
全世界で年齢の数え方が最もややこしい国は韓国だ。「数え年」と「満年齢」と「年(ヨン)ナイ」が状況によって使い分けられている。このうち、生まれてすぐに1歳から始まり、毎年新年の1月1日に1歳ずつ年を取る「数え年」が最も多く使われている。韓国人の82%が日常的に数え年を使っているという統計もある。誕生日を基準に毎年1歳ずつ年を取る「満年齢」は刑法・民法などの法律関係、公文書、病院の処方せんや報道機関で主に使用している。生まれた年を0歳とするが、年が変わるたびに1歳ずつ年を取る「年ナイ」は2つの方法の折衷したものだが、兵役法の入営令状発付など主に法執行の便宜を図って使われている。
数え年は中国で始まり、儒教文化圏である韓国・日本・ベトナムなどで使われた。数え年の由来には、「母親のおなかの中にいる胎児も人間として認めたから」という説や、「漢字文化圏には『0』の概念がなく、『1』から始まったから」という説などがある。「王の在位の最初の年から1年と起算する年号の法律と同じだ」という主張もある。由来がどうであれ、今、数え年を使っている国は韓国だけと言っていい。中国では1960-70年代の文化大革命の時に数え年がなくなり、日本は1902年に法律を制定して数え年を捨て、満年齢を定着させた。
最近、韓国社会でも「年齢の数え方を変えよう」という意見が高まっている。満年齢の使用に賛成する意見が10人中7人を上回るという世論調査の結果も先月、明らかになった。数え年を支持する回答は15%にとどまった。米アカデミー作品賞や主演賞を取り、K-POPを全世界に広めている国が、数え年という慣習のせいで「コリアン・エイジ(Korean Age)」と嘲笑(ちょうしょう)混じりの指摘を受けていること自体、話にならない。
統一基準もなく年齢を3つの方法で表現することから来る混乱と社会的コストも放置できない。国会でも2019年に続き、昨年も「満年齢での統一」を目指す法案が発議されたが、2回とも可決に至らなかった。これは社会的な議論を経て一日も早くまとめなければならない課題だ。
金泰勲(キム・テフン)論説委員