「朝鮮人1000人強制労働」の佐渡金山…日本が世界遺産推薦候補に選定

「軍艦島」に続き6年ぶりの登録試みる
韓国外交部「すぐに撤回せよ」と要求

 日帝強占期(日本による植民地支配期)の朝鮮人強制労働の現場だった日本の「佐渡島の金山」が日本の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産推薦候補に選ばれた。だが、日本が強制徴用した朝鮮人約1000人がここで苦難を経験したという事実を排除して世界文化遺産登録を推進していることが明らかになり、6年前の「軍艦島問題」(長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」世界遺産登録)に続き、韓日の歴史問題対立が再現されることになりそうだ。

 日本文化庁の文化審議会は、ユネスコ世界文化遺産登録推薦候補として「佐渡島の金山」を選定したと28日、明らかにした。日本は来年2月1日までに「佐渡島の金山」をユネスコに正式に推薦するかどうか決めることにした。日本が推薦書を提出すれば、ユネスコ諮問機関「国際記念物遺跡会議(ICOMOS)」の審査・勧告に基づいて世界文化遺産への正式登録可否が2023年に決定される。

 「佐渡島の金山」は17世紀の江戸時代に伝統手工業方式で高純度の金や銀を生産した、当時の日本で最大規模の鉱山として知られている。太平洋戦争時は銅などの戦争物資確保のための鉱山として利用された。この過程で、多数の朝鮮人が動員されて強制労働をさせられたが、生存者の証言がなく、その規模や実態を公文書や口述記録などで間接的に推定するしかなかった。韓国国内では「日帝強制動員被害者支援財団」が2019年、少なくとも1140人の朝鮮人が「佐渡島の金山」に動員されたという内容の実態報告書を出したが、関連情報はまだ非常に少ない。

 新潟県と佐渡市は伝統採掘方式と遺跡を前面に押し出して2005年から世界文化遺産登録を推進してきた。注目すべきは申請対象を「江戸時代」に限定している点だ。このため、日本による植民地支配期の強制動員という暗い歴史を隠そうという「小細工」だとの批判もある。

 日本は2015年、長崎市の軍艦島(端島炭坑)一帯を世界文化遺産に登録する際も韓国と対立した。当時は「強制動員の歴史を摘示し、犠牲者をたたえるための後続措置を実施する」と約束したが、こうした措置の1つとして開設された産業遺産情報センター(東京都新宿区)は逆に朝鮮人強制動員や差別問題を小さく見せようとしている、と指摘された。ユネスコも「後続措置をきちんと履行していない」という趣旨の決定文を採択した。

 韓国外交部は同日、報道官の論評で、「(軍艦島などを含む明治時代の)近代産業施設の世界遺産登録と関連して、日本が自ら約束した後続措置がきちんと履行されていない状況で、また別の韓国人強制労働被害現場である『佐渡島の金山』を世界文化遺産として登録しようとするものは嘆かわしい」と撤回を促した上で、在韓日本大使館の中條一夫公報文化院長を呼んで抗議した。

東京=チェ・ウンギョン特派員

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