元在韓米軍司令官「韓国の軍事力はかなり見劣り…終戦宣言で何を得たいというのか」(上)

前職と現職の在韓米軍司令官、文在寅政権に相次いで苦言
戦時作戦統制権移管に懸念-「ミサイル防衛システムの配備が先」
韓米連合訓練縮小への批判も-「米軍戦闘機と共に最後に訓練したのはいつか」
終戦宣言を巡る意見の食い違いが明確に-「宣言をしても北朝鮮の脅威は変わらない」

 ロバート・エイブラムス元在韓米軍司令官兼韓米連合司令官は25日、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで、韓国軍への戦時作戦統制権移管について「率直に言うと多くの点で問題がある」と述べた。エイブラムス氏は終戦宣言についても「終戦宣言をすることで何を得たいのか明確ではない」「最近の北朝鮮は明らかに核によって脅威となっている」と指摘した。先月初めにはポール・ラカメラ現司令官も戦時作戦統制権移管について「大部分の計画が当初の想定通りに進んでいない。すでに樹立された計画も調整して進めていくだろう」と述べたことから、「統制権移管は順調に進まないだろう」との見方もすでに浮上している。

 カーティス・スカパロッティ氏やビンセント・ブルックス氏ら他の元在韓米軍司令官らも最近相次いで終戦宣言や韓米訓練について「意を決した発言」をしている。北朝鮮が核保有の意思を明確にし、韓国と在韓米軍を狙った極超音速ミサイルなど新たな兵器を次々と開発しているにもかかわらず、韓国政府が「希望的思考」に陥り終戦宣言などに執着していることへの不満を表出したようだ。

■「韓国の戦略打撃能力、ミサイル防衛システムはいずれも不十分」

 2018年11月から今年7月まで在韓米軍を指揮したエイブラムス元司令官は戦時作戦統制権移管について「ある人たちは簡単な方法を望み、両国による合意の基準を引き下げようとしている」と述べた。韓米両国は2015年、統制権移管に向け韓国軍が充足すべき条件について合意に至った。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権が文大統領の任期中の移管という公約を実現させるため、これらの条件の変更を試みた可能性を示唆したのだ。

 エイブラムス元司令官は統制権移管条件の一つとして「韓国が戦略打撃能力を獲得し、韓国型統合空中ミサイル防衛システムを開発して配備しなければならない」としているが、これについて「率直に言ってかなり見劣りする」と発言した。「北朝鮮の核ミサイル攻撃を独自に阻止する能力がない韓国軍に戦時中の指揮を任せるのは困難」という趣旨のようだ。ブルックス元司令官も今年7月に米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で「統合航空ミサイル防衛システムや指揮統制システムの近代化といった『ホット・イシュー(最新の話題)』はポピュリズム的民族主義政治に弱いだろう」と指摘し、「ミサイル防衛」を韓米同盟の主要なイシューとして取り上げたことがある。

ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員

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  • ▲2019年5月に青瓦台(韓国大統領府)で開催された韓米軍主要職位者招請懇談会で対話を交わす文在寅(ムン・ジェイン)大統領とロバート・エイブラムス在韓米軍司令官(当時)。/聯合ニュース

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