ブルームバーグ電は13日、複数の関係者の話として、米国が日本との鉄鋼関税紛争で日本政府に解決案を提示したと報じた。これに先立ち、米国は先月、欧州連合(EU)に適用していた高率の鉄鋼関税を撤廃した。今回の措置は安全保障に続き、経済面でも「反中戦線」を強化するためのものであり、同盟国との関係改善が狙いだとの分析が聞かれる。
ブルームバーグの報道によれば、米商務省と通商代表部(USTR)は10日、日本政府に一定量の鉄鋼とアルミを無関税で米国に輸出することを認める妥協案を提案ししたという。これは米国とEUが合意した関税割当制度(TRQ)と似ている。TRQとは政府が認めた一定量に対してのみ低率の関税を適用し、それを超える部分については高い関税を課すことを指す。EUは毎年330万トンの鉄鋼を無関税で米国に輸出し、それを超えた分については25%の関税率を適用することで合意した。
それに先立ち、米政府は2018年3月、通商拡大法232条を適用し、日本、EU、中国製の鉄鋼・アルミにそれぞれ25%、10%の関税を課した。韓国については、年間の対米鉄鋼輸出量を過去3年(15-17年)平均の70%に制限した。
バイデン政権も初期にはトランプ政権の保護貿易のスタンスを引き継ぎ、関連条項を維持してきた。しかし、11月2日にEUと関税紛争を終結させることで合意した。当時バイデン大統領はフォンデアライエン欧州委員長との共同記者会見で、「中国のような国の汚い鉄鋼が我々の市場にアクセスすることを制限する」と述べたほか、「鉄鋼をダンピングし、我々の労働者に打撃を与え、我々の産業と環境に害を与えた国々に対抗する」とも語った。米国とEUは鉄鋼・アルミに対する二酸化炭素排出基準を厳格に適用し、基準を満たす製品のみ輸入を認めることで合意した。
ただ、米国は韓国の鉄鋼輸出制限要請には沈黙している。産業通商資源部の文勝ウク(ムン・スンウク)長官は11月9日、レモンド米商務長官と会談し、鉄鋼問題で再交渉を求めた。産業通商資源部の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長も11月19日、訪韓したキャサリン・タイ通商代表に同じ要求を行った。しかし、米国は韓国との交渉を始めてすらいない。
ワシントン=イ・ミンソク特派員