■再評価を受ける借金漬けの韓国経済
米国がドル政策の大転換を宣言し、韓国経済も試練に直面した。「ドル覇権」を持つ米国が資金供給を引き締めれば、国際金融市場の資金が先進国に大移動するからだ。シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、ブリッジウォーターなどウォール街の投資銀行やヘッジファンドは各国の経済状況、中央銀行の利上げペースを考慮し、資金の回収量を決定する。ウォール街の専門家は「借金が多く、融資や投資資金の回収が難しいと判断される国から真っ先に資金を引き揚げる」と語った。世界的な利上げ局面で債務が多い新興国の債務不履行(デフォルト)が多いのはそのためだ。
国際通貨基金(IMF)によると、5年後の2026年時点で韓国の政府債務は国内総生産(GDP)の66.7%に達し、今年末(51.3%)に比べ15.4ポイントも上昇する見込みだ。政府債務の増加ペースは主要35カ国でトップだ。
高麗大のキム・ジンイル教授は「韓国は最近数年間、政府と家計の負債が急増している。ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズなどの格付け会社と世界的な金融機関が韓国の政府、金融機関、企業の負債規模に耐えられるのか冷静に評価することになる」と話した。
■急激な金利上昇の可能性
海外資本の離脱を防ぐためには、中央銀行が金利を引き上げ、インセンティブ(誘因)を提供することだ。韓国も例外ではない。その上、最近急騰する住宅価格も韓国の利上げを促している。韓国は住宅賃料だけを消費者物価に反映しているが、米国や欧州連合(EU)、ニュージーランド、オーストラリアなどの例に従い、住宅所有者の住居費用も反映した場合、消費者物価は現在よりもっと上がるからだ。
そうした複雑な要因もあり、韓国銀行による利上げの時期が早まり、ペースも速まる可能性があると専門家は懸念している。金利が上昇すれば、借り入れ金で住宅や株式を購入した20-30代の返済負担が増大し、株価は下落圧力を受ける。専門家は借金漬けの韓国経済が揺らぎ、世界のホットマネー(投機資本)の攻撃目標になりかねないと心配している。
キム・ギフン経済専門記者