一夫一妻を最も忠実に守る動物の一つが海とその周辺に生息するアホウドリだが、地球温暖化の影響で繁殖に失敗し離婚率が高まっているという。ニュージーランド王立協会が論文を通じて発表した。
研究チームはこれまで15年かけてフォークランド島で繁殖しひなを育てる1万5500組のマユグロアホウドリの夫婦を観察してきた。その結果、年間の平均離婚率は3.7%で、最も低い時は0.8%だった。ところが気候変動と海水温の上昇が続いている影響で、雄がえさを持って来られない年には7.7%にまで高くなったという。
離婚率が高くなった原因について研究チームは「海水の温度が上昇して魚の数が減り、雄がより遠くに行って長い時間をかけてえさを探さねばならないためでは」と推測している。つまりえさが減ってひなの生存率が低下し繁殖に失敗すれば、夫婦のストレスホルモンが上昇し決別すると推定されている。また雄が繁殖期まで戻ることができない場合、雌は能力のある新たな雄を探すため移動することも観察によって明らかになった。
しかしえさが十分にあり繁殖に成功した場合でも離婚率が突然上がるケースがあるという。論文の共同著者の一人、リスボン大学のフランチェスコ・ベントゥラ氏は「海水温の上昇や環境悪化によって雌がストレスを感じ、これを雄がえさを持ってこられなかったせいにしている」として「配偶者のせい仮説」(partner-blaming hypothesis)を提示した。
論文の第一著者として30年にわたりニュージーランドの海でアホウドリを観察してきたニュージーランド環境保全省のグラム・エリオット博士は「寿命が50-60年のアホウドリは人間と比較できるほど素晴らしい特性がある」「踊りながらパートナーを探すやり方を学ぶぎこちない思春期もあり、成鳥になれば数年にわたり巣を離れて一生のパートナーに出会い、えさを運んで久しぶりに戻れば待っていたパートナーが大声で鳴いて喜ぶ」と説明した。しかしえさを探す時間が長くなると相手との関係が悪くなるというのだ。また繁殖能力のある雌の方が雄よりも先に離婚しようとするケースが多い。
研究チームが2005年からアホウドリの生息数を調べたところ、毎年5-10%ほど減少を続けているという。気候変動以外ではマグロ漁船の網にかかって死ぬケースも増えているようだ。エリオット博士は英国ガーディアン紙の取材に「一部の島では雌に出会えなかった雄が他の雄と一緒に暮らすケースも確認された」「以前は見られなかった現象だ」と説明した。
李哲民(イ・チョルミン)選任記者