中国、石炭足りず電力不足…韓国の秋の空は澄み渡った

中国、石炭足りず電力不足…韓国の秋の空は澄み渡った

「最近どうしてこんなに空が青く澄んでいるんでしょうか?」

「グレーの空ばかり見ていたので、青空を見るととても気持ちがいいです」

 長い秋夕(中秋節、今年は9月21日)連休が明け、インターネットのコミュニティーサイトには鮮やかな秋の空の写真が連日投稿されている。「自転車出勤族」を自称するあるネットユーザーは27日「本来なら今ごろはPM2.5(微小粒子状物質)でうっとうしい天気が続くのに、今年は秋の天気を存分に満喫できてうれしい」として、サイトに空の写真を7枚投稿した。

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 40代の主婦イさんは「毎日確認していたPM2.5関連アプリをこのところ見ていない。コロナで家にこもっているため息が詰まるが、空気が澄んでいると気分までよくなる」として、空の写真を地域限定コミュニティーサイトに投稿した。また、別の主婦キムさんは「PM2.5のせいで移民まで考えていたが、最近は秋の空を見ると本当に爽快だ」「このまま高く澄んだ秋の空を見ていたい」と話した。

 一部ネットユーザーは、秋夕以降も韓国で澄んだ青空が続いている理由について、「世界の工場」である中国の深刻な電力不足の影響だとみている。中国は最近、広範囲で深刻な電力不足に悩まされており、産業施設が稼働停止に追い込まれるだけでなく家庭用電気の供給も停止し、街灯や信号まで消えるという心配な現象まで起きている。

 中国は電力生産の60%を石炭火力に頼っている。しかし、輸入石炭の半分以上を占めていたオーストラリアと新型コロナウイルスの起源をめぐって外交摩擦が起きたことで、問題が発生。中国はオーストラリア産石炭の輸入を禁止したが、景気回復によって電力需要が急増し、発電用の石炭の供給不足に直面したのだ。ブルームバーグ通信は27日、中国が代わりの輸入先を見つけられず、石炭不足によって電力難が発生し、工場や一般家庭が打撃を受け始めたと報じた。

 サムスン証券のチョン・ジョンギュ研究員は28日「中国の電力不足は今に始まったことではないが、今年は深刻な暑さが続く中、工場の稼働率が回復した上、石炭と天然ガスの価格急騰が重なったため、電力不足がさらに深刻になっている」と話した。

 チョン研究員は「中国現地では国慶節(10月1-7日)の連休以降に電力不足がやや改善するとみている」としながらも「習近平主席の再生可能エネルギー政策と発電用石炭価格の上昇により、発電所は電力を生産すればするほど赤字が拡大するため、構造的な解決は難しい状況だ」と説明した。

 中国は来年2月に北京で開催される冬季五輪で、全世界に北京の青空を見せようと計画している。環境に優しい低炭素経済の成果として、青い空を誇示しようというわけだ。

 世界の主な投資銀行は、電力不足によって工場の稼働停止という事態に直面している中国の経済成長率見通しを相次いで下方修正している。

 投資銀行のゴールドマンサックスは27日(現地時間)、今年の中国の成長率見通しを当初の8.2%から7.8%に下方修正し、野村証券も24日、中国の成長率見通しを8.2%から7.7%へと修正した。モルガン・スタンレーも、停電に伴う生産の減少が今年いっぱい続けば第4四半期(10-12月)の成長率が1ポイント下がると予想した。

イ・ギョンウン記者
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