韓国のPM2.5濃度、WHO新基準の4.6倍

WHO、16年ぶりに基準強化

 世界保健機関(WHO)が16年ぶりに粒子状物質の濃度基準を強化した。WHOは22日(現地時間)、粒子径10µm(マイクロメートル)以下の粒子状物質(PM10)、2.5µm以下の微小粒子状物質(PM2.5)、オゾン、二酸化窒素、二酸化硫黄、一酸化炭素という6種の大気汚染物質に対する「大気質指針(AQG)」を新たに発表した。これは2005年以来の更新だ。

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 この新指針は、PM10を年平均15µg(マイクログラム)/㎥(立方メートル)、一日平均45µg/㎥以下に維持するよう勧告している。以前の基準は年平均20µg/㎥、一日平均50µg/㎥だった。PM2.5の基準も厳しくなった。以前の年平均10µg/㎥から5µg/㎥へ、一日平均25µg/㎥から15µg/㎥へ引き下げた。

 PM10やPM2.5はWHO傘下の国際がん研究機関(IARC)が2013年に指定したグループ1の発がん性物質だ。WHOは「大気汚染で毎年700万人が早期死亡(期待寿命よりも早く死亡)するものと推定される」「大気汚染を今回の指針の水準に減らせば、特にPM2.5関連の死亡の80%を防ぐことができる」としている。

 韓国の大気の質はこの基準に遠く及ばない。2019年の韓国の年平均PM10濃度はWHOの新指針に比べて2.7倍(41µg/㎥)、PM2.5は4.6倍(23µg/㎥)高かった。環境部の大気環境基準はWHOの新指針よりも約3倍緩い。PM10の基準は年平均50µg/㎥、一日平均100µg/㎥であり、PM2.5は年平均15µg/㎥、一日平均35µg/㎥だ。現在の環境部基準で今年1月から8月までにソウルでPM2.5の濃度が「不良」以上を記録した日は25日間だが、WHOの新指針を適用すると140日間となり、5.6倍増える。環境部は「WHOの指針と政府の温室効果ガス削減政策による大気改善効果などを総合的に考慮し、今後調停案を検討する」と述べた。

キム・ウンギョン記者
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