【特集】韓国採用ミスマッチ(上)
必要な人材を採用できる企業はわずか20%
韓国で毎年35万人輩出される4年制大学の卒業生は半分が語文・経営・社会など人文系の学科出身だ。しかし、韓国企業が採用する新入社員の80%以上は理工系の専攻者が占める。本紙が大学情報公示サイト「大学アルリミ」と大企業の採用状況を分析した結果、韓国の就職市場で大学の人材供給と企業の採用需要が全く合致していない「ミスマッチ」が深刻であることが分かった。
2020年にはソウルの最上位圏にあるA大学の就職率は哲学科が28.6%、中国語科が55.6%だ。一方、同じ大学の材料工学科は85.7%、コンピューター工学科は76.6%に達する。ソウルの上位圏に属するB大学でも、哲学科(37.5%)、史学科(45.8%)、政治外交学科(40.7%)など人文系学科の卒業者は半分以上が就職できなかった。それに対し、コンピューター工学科(82.3%)、電子工学科(75%)、産業工学科(75.4%)など理工系の卒業者は大部分が就職に成功した。こうした状況はソウルだけでなく地方も同様だ。釜山のD大学では情報コンピューター工学科、機械工学科、航空宇宙工学科の就職率がいずれも70%を大きく超え、全羅北道のF大学ではコンピューターシステム工学、産業情報システム工学、ソフトウエア工学の専攻者の就職率が80%に達した。ソウルの主要大学の人文系専攻者よりも地方大学の理工系専攻者が企業に歓迎されているのだ。
企業が理工系の人材を好む傾向はますます強まっている。サムスン電子、SKハイニックス、現代自動車、LG電子などの大企業が過去3年間に採用した新入社員のうち80%が理工系の専攻者だった。ネイバーは理工系が86%、LGエナジーソリューションは90%に達する。ある企業の人事担当者は「デジタル転換や未来の新成長産業発掘などを考えると、もっと理工系を採用しなければならないが、組織の多様性を考慮し、人文系を20%選抜する方針を維持している」と話した。
専門家は高校時代の文系、理系の区別が大学の専攻選択を決定する現行の教育制度が存在する限り、人材のミスマッチ問題を解決するのは難しいと指摘する。大学も思い切った統廃合で一部学科の定員を減らし、企業が求める現場型人材の教育を拡充すべきだ。西江大の李悳煥(イ・ドクファン)名誉教授(化学)は「文系・理系の区別は日帝による強制占領期に導入された古い制度である上、融合型人材を求める現在の社会とは全くマッチしない」と指摘した。
パク・コンヒョン記者
チョ・ユミ記者