韓国は食べることに熱心な国でもある。「ご飯食べましたか?」「一度食事しましょう」という言葉があいさつとして使われる国らしく、韓国は「たくさん食べる国」だ。海産物の消費量は1人当たり58キロで世界1位。セネガルのタチウオ、モーリタニアのタコは今や韓国人にとっておなじみの存在になっており、世界の巻き貝生産量の90%を韓国が消費している。肉類の消費量も1人当たり51.5キロでアジア1位。野菜や果物もよく食べる。OECD加盟国の中で野菜の摂取量は2位、果物の摂取量も8位だ。1人当たりのコメ消費量が30年の間に半分まで減った分、ほかのものを一生懸命食べているのだ。
このようにたくさん食べるが肥満率は34.5%で、OECD加盟国の中では日本(25.4%)と共に最も低い水準を記録している。食べ物の消費量を考慮すると矛盾する結果のように思えるが、体重をはじめ健康に対する関心と心配が強い国だといえる。各種メディアやホームショッピングなどに欠かさず登場する健康食品や各種運動用品のおかげなのか、期待寿命も83.3年で世界トップレベルを記録している。だが通院回数を見ると年間17回でOECD1位、入院日数は18.1日で2位を記録するなど、健康心配症が強い国でもある。もちろん医療保険、そしてほとんど全ての韓国国民が保有している損害保険のお陰で病院の敷居が低いことも要因として作用している。
Kポップに代表される文化コンテンツについて見てみると、韓国は既に文化大国といえる。映画やゲーム産業は世界5位、音楽産業は6位の水準だ。韓国各地にあるネットカフェやシネコンは韓国文化産業を支える柱、というわけだ。「本を読まない」と言って誰もが慨嘆しているが、実は出版市場の規模は7位に達している。おかしな感じだが、各書店にびっしり並んでいる各種参考書や受験書のことを考えてみると納得がいく。かつて周期的に火あぶりの刑に遭っていた漫画の場合も世界7位の水準で、ウェブトゥーン(ウェブ漫画)などデジタル市場では韓国のプラットフォームのシェアが急速に拡大しつつある。