河野談話を無力化した日本に韓国外交部「非常に遺憾」

 韓国政府は10日、日本が自国の教科書から「従軍慰安婦」や「強制連行」などの表現を削除・変更することに強い遺憾を表明した。韓国外交部(省に相当)の当局者はこの日「今年4月に日本政府は日本軍慰安婦被害者問題と強制徴用問題について、その強制性を弱める答弁書を閣議決定した」「教科書の出版社が先日関連する表現の削除や変更などの修正を申請し、文部科学省がこれを承認した」などと指摘し、これらについて「非常に遺憾だ」との考えを示した。

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 前日に日本の文部科学省は教科書を出版する5つの会社が提出した「教科書に記載された表現の削除・変更などの修正申請」を承認した。日本政府は今年4月27日「従軍慰安婦という表現は誤解を招く恐れがある」「慰安婦という用語を使用するのが適切」とする答弁書を正式に閣議決定したが、今回の申請をこれを受けて行われた。日本は1993年の河野談話で慰安婦問題に対する日本軍の関与を認め、これを謝罪したが、上記の閣議決定は河野談話を事実上無力化するものと解釈されている。外交関係者の間からは「解散を控えた菅内閣が日本の右翼勢力の宿願を果たした」などの指摘が相次いでいる。

 上記の韓国外交部当局者は「慰安婦の動員や募集、移送の強制性や韓半島からの徴用労働者に対する強制労働は日本も認めてきた」と強調した上で「日本政府はこれまで自ら表明してきた歴史認識を揺らぐことなく維持し、これを見直そうとする動きや逆行する言行を控え、歴史問題の解決に向けて真摯な態度を示す必要がある」と批判した。

 韓国の保守系野党・国民の力のユ・スンミン元議員も前日にフェイスブックを通じ「(日本の動きは)過去の過ちを懺悔し許しを求めるどころか、『強制ではなかった』と強弁する厚顔無恥な態度だ」「日本政府が自ら出した河野談話を無視したもので、大韓民国に対する深刻な挑発だ」と反発した。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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