いわゆる「国政介入事件」に関与したとして、懲役18年の判決を受け、刑務所に収監されているチェ・ソウォン受刑者(改名前は崔順実=チェ・スンシル)が共に民主党の安敏錫(アン・ミンソク)議員を相手取り、損害賠償を求めた訴訟で、一審のソウル南部地裁は8日、原告勝訴の判決を言い渡した。安議員は次期大統領選に出馬を目指す李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の選対で総括特別補佐団長を務めている。
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ソウル南部地裁は安議員による虚偽事実流布で被害を受けたとする原告の訴えを認め、賠償金1億ウォン(約944万円)の支払いを安議員に命じた。チェ氏は今年4月、安議員が2016年から17年にかけ、チェ氏の資産隠し問題を指摘するなど虚偽事実を流布し、被害を受けたとして、賠償金1億ウォンの支払いを求める訴訟を起こした。
安議員はチェ氏が朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の「影の実力者」だという疑惑が指摘された16年12月から数年間、メディアなどを通じ、チェ氏の資産隠し疑惑を指摘した。17年7月にはチェ氏が海外に隠匿した資産を探すとして、欧州5カ国を訪れた。当時安議員は「朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の統治資金規模が当時の金額で8兆9000億ウォン、現在の通貨価値で300兆ウォンを超えるとし、その資金から崔順実一家の財産の出発点を判断できる」などと主張していた。安議員は「崔順実国政介入行為者財産没収特別法推進超党派議員会」の代表を務め、チェ氏の財産没収に向けた特別法も提案した。
チェ氏は2019年9月、安議員を虚偽事実流布による名誉毀損でソウル中央地検に告訴し、「ドイツ検察がドイツ国内の崔順実氏の財産を追跡しており、マネーロンダリングの規模は数兆ウォン台」「朴正熙元大統領の死去後、財産がチェ・テミン氏一家に流れ、チェ氏の財産形成に寄与した」などとする安議員の発言は虚偽だと主張した。