東京五輪の選手村で使用される段ボールベッドが「性関係防止用」と冷笑のネタになっている。一部では、耐久性に対する懸念が以前から出ているにもかかわらず段ボールベッドが選手村に提供されたことについて、安倍前政権との癒着疑惑まで出回っている。
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米紙ニューヨーク・ポストは19日(現地時間)、段ボールベッドを「反セックスベッド」と命名した。段ボールベッドが壊れることを恐れ、選手たちは性行為ができないと皮肉ったわけだ。
陸上長距離の米国代表、ポール・チェリモ選手は「ベッドで用を足したら段ボールが濡れてベッドから落ちるだろう」「自分のベッドが壊れることに備え、床に寝る練習をしないと」と不満をツイッターに書き込んだ。
段ボールベッドに対する懸念は、2019年に東京五輪組織員会が段ボールベッドを初めて披露したときに噴き出した。「環境五輪」を掲げた組織委は、ベッドが200キロ以上の重量に耐えられ、五輪終了後はリサイクルできるとPRした。その上で「各国選手団の関係者にベッドを見せたところ好評で、段ボールだからと不安視する声はなかった」と説明した。しかし、ネット上では「こんな釈明をするってことは、不安の声があるってことじゃないのか」と疑問の声が出ていた。
その1年後に新型コロナウイルスの感染が拡大し、段ボールベッドは成田国際空港でコロナウイルスの検査結果を待つ海外からの入国者のために使用された。しかし、コロナのウイルスが付着して感染の危険性が高まったとの批判も受けた。
そこへ、安倍晋三前首相と段ボールメーカーの癒着疑惑が浮上した。安倍前首相の兄、安倍寛信氏は2012年から今年5月まで三菱グループの系列会社、三菱商事パッケージングの社長を務めていた。同社は段ボール製品の販売、段ボール企業への原材料販売を行っている。こうした事実が明らかになり、国際イベントや国の災害対応で大々的に使われる段ボール製品の材料をこの会社が納品しているのではないかと言われるようになった。しかし日本政府からはこの件について特に説明がなく、ノーコメントで一貫していた。
日本メディアは19日「東京五輪選手村で使っている段ボールベッドが海外で『性関係防止用』と認識される珍現象が発生している」と報じた。東スポは「東京五輪の珍現象」と題する記事で「もともとは環境に配慮し、リサイクル可能な素材ということが段ボールベッド使用の理由だったはずだが、性関係防止によってコロナ感染予防になれば一石二鳥ということか」と評した。