東京五輪に関して、この2年間余り外信が放射能問題と同じくらい気にしていたのが真夏の東京の猛暑だった。CNN、フィナンシャル・タイムズ、ブルームバーグなど外信各社は先を争うように「これまでで最も暑い五輪になるだろう」と報道した。ニューヨーク・タイムズは「1964年の東京五輪が10月に開かれたのには理由がある。暑かったからだ。今はもっと暑い」と報じた。五輪組織委がマラソンと競歩の試合会場を札幌に移したのも猛暑のためだ。
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このため、米国代表チームはウェアラブル技術を動員して「冷却ジャケット」まで用意した。一種のエアコン装置が入っていて、体温が上がると冷却システムが作動するという。米国代表選手団の旗手(未定)がこの白いジャケットを一番先に着て、ほかの選手たちも開幕式を終えた後、別の形態の冷却ジャケットを受け取る予定だ。このジャケットを開発した有名ブランド「ラルフ ローレン」の最高イノベーション責任者(CIO)デビッド・ローレン取締役副会長は「気温が32度でも21-24度くらいに感じられるだろう」と自信を見せた。日本の放送局でもこれに関心を示した。
ところが、このジャケット開発者たちは少々肩すかしを食ったような気分になっている。東京の今年の夏は心配されていたほど暑くないからだ。16日現在、米ウェザーチャンネルによると、開幕式が行われる23日の東京都新宿区の予想最高気温は30度、最低気温は23度で、雨が降る可能性もあるという。開幕式は日没後の午後8時に始まる。予報通りなら、25度前後の気温にあえて冷却装置までつけて行進することになるかもしれない。
開幕まであと1週間という今も状況はあまり変わらない。16日午後、本紙取材陣が隔離されている東京都港区内のあるホテルの外を歩いていると、地元住民の中には長袖シャツやジャケットを着た人たちもよく見られた。ソウルは来週ずっと日中の最高気温が35度前後まで上がると予想されているが、その一方で東京は同期間、ソウルより低い30度前後にとどまる見通しだ。
一方、五輪組織委員会は「TOKYO 2020 COOLING プロジェクト~暑さから身を守ろう~」と銘打って観客のために日陰になるようなシートを設置したり、暑さをしのげるようなうちわやクールスカーフなどのグッズを準備したりする予定だった。しかし、これは無観客開催決定により無用の長物となった。