米国の対イラン制裁によってイランから韓国企業への支払いが滞っていた輸出代金7000万ドル(約80億円)が、先ごろ回収されたことが分かった。韓国政府とワシントンの消息筋が14日(現地時間)に明らかにしたところによると、トランプ政権による2018年のイラン制裁以降、韓国企業約40社は輸出代金7000万ドルを回収できていなかったが、先月末にイラン側から回収したという。バイデン米政権が今年3月、イランの資金に関する制裁規定を緩和したおかげだ。
今回、韓国企業約40社が回収した輸出代金は「韓国に凍結されているイランの資金」から支払われたものだ。イランは2010年、イラン中央銀行名義でIBK企業銀行とウリィ銀行にウォン建ての口座を開設した。その後、この口座を通じて韓国から石油輸出代金を受け取っていた。しかし、トランプ政権時代の18年、米政府がイラン中央銀行を制裁対象としたため、この口座が凍結された。そのため、韓国が石油輸入代金としてイランに支払うべき70億ドルが口座から移動できなくなってしまった。
米国は今年3月、韓国企業がイラン側から回収できていない代金があれば、韓国に凍結されているイランの資金を使って解決できるよう例外を認める規定を設けた。米国の対イラン制裁によって韓国企業がイランから輸出代金を受け取れないという被害が発生したため、米国が具体策を講じてくれたわけだ。ただしこの規定が適用されるのは、トランプ政権がイラン中央銀行を制裁対象に加える前に発生した取引のみ。規定は先月に満了する予定だったが、ブリンケン国務長官が90日の延長を表明したため、さらに多くの韓国企業が輸出代金を回収できることになった。
米国務省の報道官はAFP通信に対し、この例外規定について、「同盟国として米国の対イラン制裁を持続的に支持してきた韓国と日本の企業が被害を受けているため、被害を防ぐための規定だ」と説明した。