「梅の花が咲きました!」。映画『王になった男』には、朝鮮王朝時代に国王が使っていた梅花トゥルという「おまる」が登場する。しかしこれは、国王や王妃といった身分の高い人物のみが利用できたもの。では内官、宮女、守備隊の兵士といった数多くの宮殿常駐の人々は、どのように用を足していたのだろうか?
こうした疑問に答えを与えてくれる遺跡が発掘された。景福宮の勤政殿東側で、およそ150年前の大型公衆トイレが確認されたのだ。文化財庁国立江華文化財研究所は「景福宮で発掘中の東宮(王世子の居住空間)南側地域でトイレの遺構を確認した」とし、8日に現場を公開した。朝鮮王朝時代の宮殿でトイレが確認されたのは初めてだが、このトイレは独特の浄化施設まで備えていた。
現場で見たトイレの遺跡は、まるで石積みの城壁の一部を連想させる、石造りの溝だった。長さ10.4メートル、幅1.4メートル、深さ1.8メートルという細長い形をしていて、底と壁は石でできており、石の間に土を詰めて排せつ物が外に漏れ出ることを防いだ。