【萬物相】歴史を新たに記した思いがけない発見

【萬物相】歴史を新たに記した思いがけない発見

 長年にわたり、ヨーロッパ人はエジプトのピラミッドや壁画、石像、石碑などに残っている象形文字を解読したくてじりじりしていた。1799年、エジプト遠征に出たナポレオンの軍隊が港湾都市ロゼッタで、文章が細かく刻まれた岩のかけらを一つ発見した。それにはギリシャ語とエジプトの民衆文字、そして象形文字で同じ内容を記したものだった。この素晴らしい幸運が、古代エジプトに至る門を開いた。フランスの言語学者シャンポリオンが、古代ギリシャ語を足掛かりにして象形文字解読の秘密を突き止めた。ラムセスなどファラオ27人の名前も、シャンポリオンによって世の中に伝えられた。

 歴史を書き直す考古学上の業績の相当数は、思いがけない発見のおかげだ。慧超の『往五天竺国伝』もそうだ。1900年、敦煌莫高窟で暮らしていた道士の王円ロク(竹冠に録)と彼の助手たちは、洞窟の掃除をしていて、ある洞窟の壁の裏側に空間があることに気付いて壁を崩した。すると別の部屋が現れ、古い文書や絵画が数多く見つかった。その中の一つ、『往五天竺国伝』は、当初は中国の僧侶が書いたものだろうと思われていたが、僧侶で学者の日本人・大谷光瑞の研究で慧超の身分が明らかになった。唐に留学してインドまで出掛けた新羅の僧侶が、1200年の時空を超えて現代の私たちと対面した。

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