有事の際、韓国首都圏を脅かしている北朝鮮の長射程砲の砲弾およびロケット弾を迎撃する「韓国型アイアンドーム」、長射程砲迎撃システムが2020年代末までに韓国国内で開発される。先月、イスラエルのアイアンドームがパレスチナ人のロケット弾およそ1000発を90%以上の命中率で迎撃し、およそ20発のロケット弾をほぼ同時に迎撃する様子が動画に捉えられたことなどが「韓国型アイアンドーム」開発の決定に影響を及ぼしたといわれている。
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防衛事業庁は28日「国防部(省に相当)の徐旭(ソ・ウク)長官の主宰で防衛事業推進委員会(防推委)を開き、『長射程砲迎撃システム事業』を韓国国内での研究開発で進めると決めた」と明かした。来年から2035年までにかけて、計2兆8900億ウォン(現在のレートで約2830億円。以下同じ)の予算で迎撃システムが開発され、実戦配備される。29年ごろまでに開発を終えた後、35年までに韓国首都圏および韓国空軍の主要基地などを中心に、複数の部隊を実戦配備する形で進められる。
韓国型アイアンドームは、艦載型の韓国製迎撃ミサイル「海弓」の技術や米国のMHTK迎撃ミサイルの技術などを活用して開発されるという。非武装地帯(DMZ)付近の北朝鮮側地域にはおよそ1200門の各種長射程砲が配備されている。このうち、韓国首都圏を直接脅かしているのは、170ミリ自走砲(最大射程54キロ)6個大隊や240ミリ放射砲(多連装ロケット砲、最大射程およそ60キロー70キロ)約10個大隊など、およそ340門だ。
一部からは、北朝鮮の新型300ミリ放射砲の配備、600ミリ超大型放射砲の開発など放射砲の脅威が加速度的に高まっている状況で、10年後の実戦配備というのはあまりに遅いのではないか、という指摘も出ている。韓国軍の消息筋は、これについて「韓国独自の多層ミサイル・ロケット防衛網開発計画という特性上、イスラエルのアイアンドームを導入するのは難しい」とし「代わりに、国産迎撃システムの開発および配備の時期を2年ほど前倒しする」と語った。