韓国の地方自治体の財政自立度が今年平均48.7%を記録した。1997年に韓国政府が関連する統計を公開し始めてから今回はじめて50%を下回った。地方自治体が自らの力で財政を維持するのは非常に難しいのが現状のようだ。
韓国行政安全部(省に相当)が18日に公表した「2021年地方自治体統合財政概要」によると、全国の地方自治体243カ所の財政自立度は平均で2019年は51.4%、昨年は50.4%だったが、今年は48.7%にまで下がったことがわかった。とりわけ独自の収入だけでは人件費さえ支払えない地方自治体が63カ所で、これは全体の4分の1(25.9%)に相当する。内訳は郡が51カ所、市が4カ所、自治区が8カ所となっていた。財政自立度が30%を下回る地方自治体は173カ所で、全体の71%に達した。
文在寅(ムン・ジェイン)政権は地方分権や地方財政の自立を国政の課題として強調してきたが、逆に財政自立度は低下しているということだ。一部自治体の場合、いわゆるバラマキ政策を乱発しているとの批判も出ている。財政自立度が最も低い慶尚北道奉化郡(6.7%)は地元に建設するマンションの一部を90億ウォン(約8億7000万円)で買い取り、これを職員に貸し出そうとしたところ、「特恵」として激しい批判を受けた。財政自立度が14.9%の慶尚南道固城郡は今年から毎月最大で7万ウォン(約6800円)の青少年手当を支給する。行政安全部の関係者は「社会福祉の強化とコロナ渦に対処するための補助金、地方交付税の支給により国費への依存度が高まっているため」とコメントした。
「地域ごとの格差が大きい」との指摘も相次いでいる。首都圏よりもそれ以外の地域で財政自立度が低い傾向にあるからだ。ソウル市の財政自立度は78.9%で最も高い。基礎自治体の市、郡、区の間でもその格差は大きい、ソウル市江南区(70.6%)は大田市東区(11.5%)のほぼ7倍だ。郡単位では蔚山市蔚州郡が45.3%だが、慶尚北道奉化郡は6.7%で最も低かった。