韓国全土の住宅街に雨後のたけのこのように広がった「リアルドール体験店」に対し、韓国警察は7日から大規模な取り締まりを開始する。リアルドールとは女性の身体を精巧に再現した等身大のアダルト用品で、日本ではラブドールなどと呼ばれる。体験店では1時間3万-4万ウォン(2960-3950円)で借りることができる。いわゆる「人形売春」を行う新手の店舗で、現行法では取り締まりの根拠となる規定がないが、批判世論の高まりを受け、警察が重い腰を上げた。
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警察庁は6日、女性家族部、地方自治体と「リアルドール体験店合同取り締まり班」を組織し、7月末まで全国で集中取り締まりを行うと発表した。現在はそうした店舗は違法ではない。しかし、人形を選び、時間制で貸し出す商法は売春と似ており、「女性の性の商品化を助長し、青少年の性的観念を歪曲(わいきょく)する」との批判を受けてきた。
警察は規制を求める世論の高まりを受け、青少年保護法、情報通信網法、建築法違反などを適用し、取り締まりを行うことを決めた。看板に「リアルドール体験店」という店舗名のほか、電話番号、URL、電子メールなどを記載していれば、青少年保護法違反で取り締まる。また、ウェブサイトに成人認証機能を設定していなかったり、ネット広告に「青少年有害コンテンツ」の表示がなかったりすれば、情報通信網法に基づき摘発する。建築法も適用する。体験店は現在風俗店、ナイトクラブのような「慰楽施設」に分類されているが、それを「近隣生活施設」として届け出ていたり、直通の階段がないなど構造上の問題点があったりすれば、その点を指摘して取り締まる。
リアルドール体験店の取り締まりを巡っては、賛否が対立している。「男性の性欲解消自体を国家が規制するものだ」「性欲は犯罪ではない」などの意見がある。また、「現行法に取り締まりの根拠がないのに、建物の構造や看板まで問題にして、正常な営業をできなくするのは正攻法ではない」という主張もある。
これに対し、児童・青少年が出入りする一般的な商店街で人形を使った「疑似売春店」が制限なく営業できるのは問題だとする世論も目立つ。京畿道竜仁市で今年4月、リアルドール体験店が開業したところ、市民4万人余りが反対の請願を行い、問題の店は結局閉店した。5月には京畿道議政府市に無人リアルドール体験店がオープンすると伝えられると、青瓦台の請願掲示板に反対請願が書き込まれ、1週間で1万7000人以上が同意した。