昨年、基金運用で72兆ウォン(約7兆1000億円)の収益を上げた韓国の国民年金がサムスン電子だけで19兆ウォンを稼ぎ出していたことが分かった。
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IT業界と証券業界によると、国民年金は昨年、サムスン電子に35兆5000億ウォンを投資した。これは国民年金基金の約4.7%に相当する金額だ。国民年金がサムスン電子株への投資を通じ、株価上昇と配当で得た収益は約19兆ウォンで、50%を超える運用益を上げたことになる。国民年金の昨年の運用収益率(9.6%)を大きく上回る数値だ。サムスン電子株への投資は国民年金の運用資産全体の5%にも満たないが、収益に占める割合は26%に達した。それが可能だったのはサムスン電子の株価が急騰したからだ。昨年初めに5万5000ウォンだったサムスン電子の株価は昨年末には8万1000ウォンを付け、50%近く上昇した。
株価上昇でサムスン電子の小口株主も急増した。今年3月末時点でサムスン電子の普通株を保有する小口株主は約385万人(外国人・機関投資家除く)、同社の優先株を保有する株主は112万人だ。合計すると497万人で、韓国国民の10人に1人が保有しており、名実共に「国民株」となった。
しかし、今年も国民年金がサムスン電子株で高い収益を得られるかどうかは未知数だ。国民年金は昨年末時点で10.7%に達したサムスン電子への持ち株比率を3月末には9.75%へと1ポイント近く減らした。また、今年初めに一時9万ウォン台まで上昇したサムスン電子株は最近7万ウォン台まで下落し、軟調となっている。