消防車の道を遮る韓国の違法駐車、強制移動はここ3年「0件」 

忠清北道堤川市でのスポーツセンター火災から3年…違法駐車の強制処分は有名無実に

 先月11日午後1時13分、ソウル市広津区の消防署に119番通報が入った。消防署からわずか2分の距離にある多世帯住宅の4階から出火し火災が発生したという。現場に向かった消防車は火災現場までわずか120メートルのところでストップした。住宅地の狭い道を左折しなければならないのだが、角に1台の乗用車が駐車してあったからだ。消防車は左折を断念して70メートル直進し、次の角で左折したが、今度はその途中で5台の乗用車が止められていた。車幅が2.5メートルの消防車は駐車してあった車と接触しないようにおよそ200メートルをゆっくりと進んだ。影響で現場に到着するまで普段の2倍となる4分も時間がかかった。火災が発生した住宅は内部が全焼し、700万ウォン(約68万円)の被害が発生した。広津消防署の消防官は「消防車がたとえ数秒でも早く到着していれば、火の手を抑えることができたはずだった。非常に残念だ」と述べた。

 2017年に29人の犠牲者が出た忠清北道堤川市のスポーツセンター火災の際には火災発生直後の救助活動が遅れてしまったが、その原因は「不法駐停車」だった。車幅が大きい屈折はしご付き消防ポンプ車などは現場に最短距離で向かうことができず、500メートルを回り道した。また不法駐車の影響ではしご車を使うのに必要な7-8メートルの空間を確保できず時間を無駄にした。影響で不法駐車に対する批判世論が高まり、翌18年6月には消防車などの緊急出動の際には駐停車中の車を強制的に移動できる「強制処分」の条項が一部改正・施行された。ところがそれから3年近く過ぎたが、今も状況はほとんど変わっていないのだ。

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イ・ヨングァン記者
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  • ▲「防災の日」の25日午後、ソウル市西大門区南加佐洞の住宅地ではあちこちで違法駐車中の車が目についた。/コ・ウンホ記者

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